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  1. 四日市市議会 2022-11-01
    令和4年11月定例月議会〔附録〕


    取得元: 四日市市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-09
    検索結果へ戻る 検索をやり直す (このウィンドウを閉じます) 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年11月定例月議会〔附録〕 2022-12-23 文書・発言の移動 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 8 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言の表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : 議会日程 選択 2 : 議会運営委員会決定事項 選択 3 : 議決事件一覧表 選択 4 : 一般質問通告一覧表 選択 5 : 付託議案一覧表 選択 6 : 帯状疱疹ワクチンへの助成並びに定期接種化の判断を求める意見書 選択 7 : 四日市市の将来都市像に関する調査特別委員会の調査報告について 選択 8 : 常任委員会の所管事務調査報告について ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:            令和4年11月定例月議会日程    11月 29日 (火)   午前10時開議                   議案説明                   報告、質疑                   議案説明、質疑、委員会付託                   予算常任委員会総務分科会                   予算常任委員会教育民生分科会                   予算常任委員会全体会                   委員長報告、質疑、討論、採決        30日 (水) ┐    12月  1日 (木) │         2日 (金) ├ 休  会         3日 (土) │         4日 (日) │         5日 (月) ┘         6日 (火)   午前10時開議                   一般質問         7日 (水)   午前10時開議                   一般質問
            8日 (木)   午前10時開議                   一般質問         9日 (金)   午前10時開議                   一般質問        10日 (土) ┬ 休  会        11日 (日) ┘        12日 (月)   午前10時開議                   一般質問                   議案質疑、委員会付託                   追加議案説明、質疑、委員会付託        13日 (火)   各常任委員会/予算分科会        14日 (水)   教育民生常任委員会/予算分科会        15日 (木) ┐        16日 (金) ├ 休  会        17日 (土) │        18日 (日) ┘        19日 (月)   予算常任委員会全体会        20日 (火) ┐        21日 (水) ├ 休  会        22日 (木) ┘        23日 (金)   午後1時開議                   委員長報告、質疑、討論、採決                   追加議案説明、質疑、討論、採決 2:               議会運営委員会決定事項                                   (4.11.22) ◎11月定例月議会について  1 日  程  別紙のとおり  2 一般質問  (1)発言順序・発言時間    1) フューチャー四日市 3時間  2) 市民eyes 1時間30分    3) 政友クラブ   4時間30分  4) 青 雲 会  1時間30分    5) 公 明 党   2時間30分  6) 無会派(日本共産党)    7) 新風創志会     3時間  3 通告(受理)期限  (1)一般質問     11月29日(火) 午後3時まで             (通告内容が同一趣旨の場合は午後4時まで変更可)  (2)議案質疑     12月6日(火) 午後4時まで  (3)請  願     12月6日(火) 午後4時まで  (4)議員提案による     意見書発議案   12月6日(火) 午後4時まで  (5)反対討論     12月21日(水) 正午まで  (6)賛成討論・その他 12月22日(木) 正午まで 3:                           議決事件一覧表  [報 告](2件) ┌─────────────────────────────────────────────────────────┐ │                      件          名                       │ ├─────────────────────────────────────────────────────────┤ │報告第12号 市長専決処分事項の報告について                                    │ │報告第13号 議決事件に該当しない契約について                                   │ └─────────────────────────────────────────────────────────┘  [市長提出議案](35件) ┌────────────────────────────────────────────────────┬────┐ │                        議案名                         │議決結果│ ├────────────────────────────────────────────────────┼────┤ │議案第43号 令和4年度四日市市一般会計補正予算(第6号)                        │原案可決│ │議案第44号 令和4年度四日市市一般会計補正予算(第7号)                        │修正可決│ │議案第45号 令和4年度四日市市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)                  │原案可決│ │議案第46号 令和4年度四日市市食肉センター食肉市場特別会計補正予算(第1号)              │原案可決│ │議案第47号 令和4年度四日市市介護保険特別会計補正予算(第2号)                    │原案可決│ │議案第48号 令和4年度四日市市水道事業会計第1回補正予算                        │原案可決│ │議案第49号 令和4年度市立四日市病院事業会計第2回補正予算                       │原案可決│ │議案第50号 令和4年度四日市市下水道事業会計第2回補正予算                       │原案可決│ │議案第51号 四日市市個人情報の保護に関する法律施行条例の制定について                  │原案可決│ │議案第52号 四日市市情報公開・個人情報保護審査会設置条例の一部改正について               │原案可決│ │議案第53号 地方公務員法等の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について           │原案可決│ │議案第54号 四日市市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について          │原案可決│ │議案第55号 四日市市長及び副市長の給与及び旅費に関する条例の一部改正について              │原案可決│ │議案第56号 四日市市職員給与条例の一部改正について                           │原案可決│ │議案第57号 四日市市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部改正について              │原案可決│ │議案第58号 四日市市税関係手数料条例の一部改正について                         │原案可決│ │議案第59号 四日市市戸籍関係等手数料条例の一部改正について                       │原案可決│ │議案第60号 四日市市橋北交流施設条例の廃止について                           │原案可決│ │議案第61号 四日市市立こども園条例の一部改正について                          │原案可決│ │議案第62号 四日市市幼児教育センター条例の制定について                         │原案可決│ │議案第63号 四日市市農業センター設置条例の一部改正について                       │原案可決│ │議案第64号 四日市市建築基準法等関係手数料条例の一部改正について                    │原案可決│ │議案第65号 四日市市開発許可等に関する条例の一部改正について                      │原案可決│ │議案第66号 四日市市学校給食センター設置条例の制定について                       │原案可決│ │議案第67号 四日市市議会議員及び四日市市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正について│原案可決│ │議案第68号 土地の取得について                                     │原案可決│ │議案第69号 工事請負契約の締結について-垂坂1号線ほか1線道路改良工事-                │原案可決│ │議案第70号 動産の取得について-小型一般ごみ収集車 6台-                       │原案可決│ │議案第71号 四日市市少年自然の家及び四日市市水沢市民広場の指定管理者の指定について           │原案可決│ │議案第72号 四日市市運動施設の指定管理者の指定について                         │原案可決│ │議案第73号 四日市市茶業振興センターの指定管理者の指定について                     │原案可決│ │議案第74号 三重県市町総合事務組合規約の変更に関する協議について                    │原案可決│ │議案第75号 市道路線の認定について                                   │原案可決│ │議案第76号 監査委員の選任について                                   │同  意│ │議案第77号 固定資産評価審査委員会委員の選任について                          │同  意│ └────────────────────────────────────────────────────┴────┘  [議員提出議案](2件) ┌────────────────────────────────────────────────────┬────┐ │                        議案名                         │議決結果│ ├────────────────────────────────────────────────────┼────┤ │発議第9号 帯状疱疹ワクチンへの助成並びに定期接種化を求める意見書の提出について            │修正可決│ │発議第10号 四日市市議会の個人情報の保護に関する条例の制定について                   │原案可決│ └────────────────────────────────────────────────────┴────┘ 4: 令和04年11月定例月議会   一般質問通告一覧表
     発言順序 氏名         会派          発言時間 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 一般質問  01    小田あけみ      フューチャー四日市   45分        1.夜間中学校について          ~何故今、夜間中学校なのか?        2.小規模多機能型居宅介護の推進について          ~大規模施設のデメリット          ~住み慣れた街・家で暮らすメリット  02    後藤純子       フューチャー四日市   45分        1.無園児について          ~現状と対応に関して~        2.プレーパーク事業について          ~子ども達の遊び場~  03    樋口龍馬       フューチャー四日市   45分        1.軽度知的障害、ADHD、学習障害等の子どもたちが自立できる社会を目          指して質問を重ねて10年が経過しました。現状の成果と課題を総括します          ~自立が進むと個人の尊厳が高まるだけでなく、財政負担が減ると思いま          せんか?早期自立支援を強化して『親亡き後問題』に備えませんか?~  04    加納康樹       フューチャー四日市   45分        1.今期4年間の一般質問と委員会質疑から        (1)なろうブルーは恒久的に存続するのか        (2)いつから市内の交差点に名前が付くのか        (3)スケボーパーク(はじまりのいち)の成果は        (4)2023年4月問題を見過ごして良いのか  05    伊藤昌志       市民eyes      30分        1.≪命を守るために≫的確な情報提供で浸透を図ろう        (1)【自然災害】南海トラフ地震の被害想定、避難想定は浸透しているか        (2)【感染症】ワクチン接種とマスク着脱に関する情報を的確に知らせてい           るか  06    土井数馬       市民eyes      30分        1.市民と育て進める まちづくり「『ニワミチよっかいち』中央通り再編」          に関して  07    小林博次       市民eyes      30分        1.市立図書館及び、中央通りの再整備と連動した「諏訪公園」の再整備につ          いて        2.諸物価が高騰する中で、「社会的弱者の経済的な支援」について  08    笹井絹予       政友クラブ       30分        1.本市のスマートシティーへのその取組みと地域の人材対策        (1)本市のスマートシティーに対する取組み        (2)介護人材対策について  09    荻須智之       政友クラブ       45分        1.特別支援学級の児童数の推移と親のワークライフバランスについて        2.戦没者慰霊祭等、各種慰霊祭の今後について        3.サイクル・スポーツ・フェスティバルの現状と今後について  10    伊藤嗣也       政友クラブ       45分        1.命の危険を一つひとつ取り除くために        (1)避難所や生涯スポーツ拠点としての体育館空調整備        (2)緊急事態対応マニュアル  11    川村幸康       政友クラブ       60分        1.適正な手続きに基づいた行政運営について        (1)個人情報の取り扱い。        (2)説明責任のあり方。  12    小川政人       政友クラブ       30分        1.再選後の所信表明の風通しが良く心を一つにした組織ゆるぎない正義感に          ついて        (1)十四川溢水問題        (2)舘副市長の採用問題について        (3)運動施設条例及びドーム条例の改正について  13    日置記平       政友クラブ       60分        1.国家安全保障対策にもとづいて地方都市四日市の対応は        2.年末に向け新型コロナ感染拡大にともなう第8波対策について  14    豊田政典       青雲会         60分        1.森市政の6年間~現在から未来へ        (1)市長と市民との約束~『政策集』の検証        (2)最重要政策の根本的転換の必要性        (3)市政運営上の問題点  15    森川 慎       青雲会         30分        1.四日市ハーフマラソンについて  16    樋口博己       公明党         45分        1.市民の生活環境の改善を!          ~ゴミ屋敷対策条例制定~        2.災害等緊急時の市職員の体制強化          ~家賃補助で市内在住への誘導支援~        3.中央通り賑わい創出の起爆剤          ~スケートボードパーク~  17    森 智子       公明党         60分        1.暮らしを守る          ~止水板設置補助制度について~        2.健康を守る          ~帯状疱疹ワクチンとHPVワクチン~        3.子育て支援について
     18    荒木美幸       公明党         45分        1.妊娠、出産・産後・育児期における切れ目のない支援について        (1)伴走型相談支援と経済的支援の一体的実施について        (2)経済的支援の手法について        (3)伴走型相談支援の体制整備について  19    太田紀子       無会派(日本共産党)  30分        1.空き家・空き地対策について  20    井上 進       新風創志会       30分        1.市は一次産業の発展・育成にもっと積極性をもって対応を。        (1)これで十分と考えているのか各分野の支援策  21    谷口周司       新風創志会       45分        1.「挑戦」する街。できる街。を目指して!!        (1)今こそ!やるべき「結婚支援」        (2)挑戦しよう!「修学旅行の聖地」を目指して  22    諸岡 覚       新風創志会       45分        1.本市のすぐに取り組むべき課題について        (1)公共交通網の構築        (2)団地再生        (3)農業再生        (4)少子化対策  23    平野貴之       新風創志会       30分        1.円安と物価高騰下の攻めた中小企業支援策        (1)臨時交付金を活かした物価高対策        (2)円安はチャンス!地場産品を世界に送り出す実効的支援策        (3)コロナ禍と円安で世界が注目する日本の越境EC  24    早川新平       新風創志会       30分        1.四日市市の津波浸水想定に対する対策について 5:                        付託議案一覧表 ○ 予算常任委員会  議案第43号 令和4年度四日市市一般会計補正予算(第6号)  議案第44号 令和4年度四日市市一般会計補正予算(第7号)  議案第45号 令和4年度四日市市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)  議案第46号 令和4年度四日市市食肉センター食肉市場特別会計補正予算(第1号)  議案第47号 令和4年度四日市市介護保険特別会計補正予算(第2号)  議案第48号 令和4年度四日市市水道事業会計第1回補正予算  議案第49号 令和4年度市立四日市病院事業会計第2回補正予算  議案第50号 令和4年度四日市市下水道事業会計第2回補正予算 ○ 総務常任委員会  議案第51号 四日市市個人情報の保護に関する法律施行条例の制定について  議案第52号 四日市市情報公開・個人情報保護審査会設置条例の一部改正について  議案第53号 地方公務員法等の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について  議案第54号 四日市市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について  議案第55号 四日市市長及び副市長の給与及び旅費に関する条例の一部改正について  議案第56号 四日市市職員給与条例の一部改正について  議案第57号 四日市市一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部改正について  議案第58号 四日市市税関係手数料条例の一部改正について  議案第67号 四日市市議会議員及び四日市市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正について  議案第74号 三重県市町総合事務組合規約の変更に関する協議について ○ 教育民生常任委員会  議案第61号 四日市市立こども園条例の一部改正について  議案第62号 四日市市幼児教育センター条例の制定について  議案第66号 四日市市学校給食センター設置条例の制定について  議案第71号 四日市市少年自然の家及び四日市市水沢市民広場の指定管理者の指定について  発議第9号 帯状疱疹ワクチンへの助成並びに定期接種化を求める意見書の提出について ○ 産業生活常任委員会  議案第59号 四日市市戸籍関係等手数料条例の一部改正について  議案第60号 四日市市橋北交流施設条例の廃止について  議案第63号 四日市市農業センター設置条例の一部改正について  議案第72号 四日市市運動施設の指定管理者の指定について  議案第73号 四日市市茶業振興センターの指定管理者の指定について ○ 都市・環境常任委員会  議案第64号 四日市市建築基準法等関係手数料条例の一部改正について  議案第65号 四日市市開発許可等に関する条例の一部改正について  議案第68号 土地の取得について  議案第69号 工事請負契約の締結について        -垂坂1号線ほか1線道路改良工事-  議案第70号 動産の取得について        -小型一般ごみ収集車 6台-  議案第75号 市道路線の認定について 6:    帯状疱疹ワクチンへの助成並びに定期接種化の判断を求める意見書  帯状疱疹は、過去に水痘に罹患した者が、加齢や過労、ストレスなどによる免疫 力の低下により、体内に潜伏する帯状疱疹ウイルスが再活性化し発症するものであ る。  日本では、50歳代から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症すると言 われており、治療が長引くケースや後遺症として痛みなどの症状が残るケースもあ る。  この帯状疱疹の発症予防のために、ワクチンが有効とされているが、費用が高額 になることから接種を諦める高齢者も少なくない。  帯状疱疹による神経の損傷によって、その後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」 と呼ばれる合併症に加え、角膜炎、顔面神経麻痺、難聴などを引き起こし、目や耳 に障害が残ることもあるとも言われている。  そこで政府に対して、一定の年齢以上の国民に対するワクチンの有効性及び安全 性等を早急に確認し、帯状疱疹ワクチンの助成制度の創設や予防接種法に基づく定 期接種化の速やかな判断を強く求める。  以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出する。
      令和4年12月23日                           四日市市議会                            議長 森   康 哲 関係省庁宛 (内閣総理大臣、厚生労働大臣、財務大臣) 7: 委員会報告第2号     四日市市の将来都市像に関する調査特別委員会の調査報告について  当委員会に付託された事項について、四日市市議会会議規則(昭和42年四日市市 議会規則第1号)第105条の規定により、下記のとおり調査の経過及び結果を報告 します。                    記 1.付託事項   各種既存計画や事業、構想(バスタ計画、近鉄四日市駅及びJR四日市駅周辺整備  事業、みなとまちづくりプラン等)の関連性についての調査検証   四日市市全体としての将来的なあるべき都市の未来像についての考察(公有地の有  効活用・集約化、高等教育機関の誘致などの若者の居場所づくりの視点等から) 2.調査の経過   別紙報告書のとおり   令和4年12月23日          四日市市の将来都市像に関する調査特別委員長  樋 口 龍 馬 四日市市議会  議長 森   康 哲 様 ──────────────────────────────────────────          四日市市の将来都市像に関する調査特別委員会報告書 1.はじめに  本市では、現在、中央通り再編計画や近鉄四日市駅バスターミナル整備(バスタプロジ ェクト)、JR四日市駅前再整備、四日市みなとまちづくりプランなど、中心市街地に関す る様々な計画が並行して進行しており、今後の本市のまちづくりの方向性を決定づける大 きな転換期に差し掛かっていると考えます。  しかしながら、各事業の相関性や連携状況が市民からは見えにくく、独立した個別の事 業として進められ、事業間の整合性を欠いたまちづくりとなってしまうことに危機感を持 ちました。同時並行で進められる事業を一貫した理念の下で実現するためには、理想とな る将来都市像を共有し、その都市像の実現に向けて議会、行政、事業者、そして、市民が 一丸となって取り組む必要があります。  当委員会では、より長期の四日市の在り方を示す都市ビジョンを明確にするために、中 心市街地を中心に現在進められている各種計画について調査を行い、それをもって市域全 体を捉えた目指すべき将来都市像を見出すべく、調査研究を開始いたしました。 2.当委員会設置に係る経緯  令和4年4月18日に開催した総務常任委員会の休会中所管事務調査「公有地の有効活用 について」では、公有地を本市の将来的なまちづくりに活用できないかという視点に立っ て調査研究を進める中で、委員会所管範囲を横断する形で、より長期の四日市の在り方を 指し示す都市ビジョンについてさらに深く議論を進めるべきとの結論に至り、同委員会委 員長から議長に対し、特別委員会の設置が申し入れられました。その後、各派代表者会議 での協議を受けて、総務常任委員会において調査研究事項を「各種既存計画や事業、構想 (近鉄四日市駅及びJR四日市駅周辺整備事業、バスターミナル事業、みなとまちづくり プラン等)の関連性についての調査検証」「四日市市全体としての将来的なあるべき都市の 未来像についての考察(公有地の有効活用・集約化、大学の誘致などの若者の居場所づく りの視点等から)」の2つに明確化されることとなりました。改めて各派代表者会議での協 議を受け、令和4年6月の議決を経て当委員会が設置されることとなりました。 3.委員会の開催経過  当委員会は、初回を含め8回の会議を持ち、様々な角度から多くの議論を行うこととな りました。本市の将来都市像を見出すべく、現在本市が実施し、または検討している各種 計画や事業についての調査研究を行うとともに、議員間討議を重ねて論点を整理しました。  調査研究においては、本市の最上位計画である総合計画とそれに即した中心市街地や中 央通り再編計画などの各種の既存計画、四日市みなとまちづくりプランなどについて関連 性や整合性を確認した上で、議員間討議において、現状の課題や今後のあるべき姿につい て当委員会での共有と意見集約を図りました。また、平成20年に設置されたJR四日市駅 周辺活性化事業調査特別委員会で報告のあった議会からの13項目についての進捗状況と今 後の方向性を当委員会で確認しました。(「別添資料1)」参照)  当委員会での経過及び会議事項は、以下のとおりです。 (1)令和4年6月30日(木)   ・正副委員長の互選 (2)令和4年7月21日(木)   ・中心市街地に係る計画   ・中央通り再編に係る計画等   ・JR四日市駅周辺活性化事業調査特別委員会 (3)令和4年8月4日(木)   ・四日市みなとまちづくりプラン(基本構想)について   ・議員説明会(8月3日開催)を受けて (4)令和4年8月18日(木)   ・前回の請求資料について   ・現状の課題と将来都市像について(議員間討議) (5)令和4年10月6日(木)   ・前回の請求資料について   ・これまでの調査のまとめについて(議員間討議) (6)令和4年10月27日(木)   ・前回の請求資料について   ・論点整理について   ・議員間討議について (7)令和4年11月11日(金)   ・前回の請求資料について   ・論点整理について   ・議員間討議について   ・JR四日市駅周辺活性化事業調査特別委員会から報告された13項目の要請について   ・報告書のまとめについて (8)令和4年12月19日(月)
      ・論点整理について <前回からの修正案>   ・JR四日市駅周辺活性化事業調査特別委員会から報告された13項目の要請に    対する現在の対応状況 <前回からの修正案>   ・報告書(案)について 4.議員間討議  当委員会では、より長期的な視点に立って四日市の将来都市像を明確化していくため、 活発に議員間討議を行いました。  議員間討議で出された概要は次のとおりです。  なお、各委員からの個別の提案や意見については別途取りまとめることとしました。(「別 添資料2)」参照) (四日市港について) ・本市は、潮吹き防波堤や跳ね上げ式の末広橋梁などの観光資源がある四日市地区で観光  施策を進めている。観光という視点では四日市地区に焦点を当てていく必要がある。 ・霞ヶ浦地区に物流を、四日市地区に人流を呼び込んでいく方向性に異論はないが、例え  ば、霞ヶ浦地区には現在も公園やポートビルなど人を集める施設もあり、有効な活用方  法の検討も必要である。物流と人流のすみ分けを完全に分けることは難しい。 ・伊勢湾まで視野に入れたまちづくりの視点は大事である。JR四日市駅、四日市港の先  には中部国際空港がある。 ・霞4号幹線のさらなる南進化は重要な施策である。実現には困難が伴うが、国道23号の  渋滞解消も含めて本市の発展につながるため、研究して進める必要がある。例えば四日  市地区にアクセスできるような視点での整備も必要である。 ・工業化によって海岸線から市民を遠ざけてしまったという、これまでの施策の経緯を踏  まえ、どこかでそれを市民に返していくという視点が必要である。国、県と協力して方  向性を示し、海辺に市民が安心して近づけるような施策展開が必要である。 ・東海環状自動車道の全線開通により、岐阜県をはじめとした背後圏の産業発展を物流面  から支える四日市港としての役割がますます期待できる。物流機能のさらなる強化に向  けて、本市が施策に活かして取り組む必要がある。 ・港に係る政策には多額の財源が必要であり、国からの補助金が不可欠である。国の協力  を得られるよう、本市の働きかけが重要になる。 (公共交通について) ・バスタを整備しても、バスの本数やルートなどの利便性を向上させなければ効果が薄れ  る。民間事業者の協力を求め、整備効果を最大限享受できるように取り組む必要がある。 ・バスタから発着するバス路線が、全国の各都市はもちろん、県内各所とつながることで、  よりバスタ整備の効果が発揮される。 ・バスタ整備によって、災害面、観光面などに全国のバスタ間の連携が期待できる。東海  環状自動車道などの広域幹線道路が整備されることで、北陸地方への利用など新たな需  要が掘り起こされるため、新たな施策の研究が必要である。 ・バスタが整備される中央通りは、国道23号や国道477号バイパスへのアクセスが悪いが、  バスタを整備する以上、バスのアクセス向上は必要である。JRの高架化は実現しなか  ったが、国道23号等へのアクセス向上のための別のアプローチが必要である。 ・本市西部ではバスの本数が少なく、また、南北をつなぐ路線も少なく利便性が低いこと  から、住民のバスの利用が減少する悪循環に陥っていると感じる。 ・本市西部を走るバス路線の維持のために市費も投じているが、多少本数が増えても市民  は大きな満足度を感じにくい。一方、バス事業者の経営も厳しい状況に置かれている。  行政、市民、事業者、それぞれの立場をよく理解し、調整していく必要がある。 ・市街化調整区域など、公共交通機関の駅やバス停から離れた地域での自動運転車両の導  入は効果的である。 ・市街化調整区域での公共交通施策は、本市の大きな課題である。高齢者になっても公共  交通機関で移動しやすい施策が必要である。 ・運転免許証の返納率を上げることで公共交通の利用が増えるのではないか。 ・運転免許返納のインセンティブが少ない。バスやデマンド交通の利用促進に資する施策  を検討すべきである。 (環境と産業の両立について) ・伊勢湾の魚が少なくなっている。ブルーカーボンの事業化により、きれいで豊かな海に  したい。 ・環境施策に関する国の規制や制度改正により、本市の産業の姿は大きく変わることが想  定される。行政と産業界がしっかりと情報共有し、次世代につなげる産業とするための  研究が不可欠である。また、国との連携が大変重要である。 ・環境保全と産業振興は相反する面があり、両立は難しい。本市は内陸産業が活性化して  おり、産業振興のためには規制緩和も必要だが、内陸部における環境の課題もある。 ・本市は工業で成り立っている部分が大きく、今後も企業誘致は必要である。環境と調和  したまちづくりを進めていくことは大事である。 ・環境と産業は時代とともに大きく変わっていくため、できるだけ目標を数値化した方が  分かりやすい。市民や企業に対し、将来に向けた市の考え方を示す必要がある。 ・里山保全など、グリーンカーボンの考え方についても取組を進める必要がある。 ・海だけをきれいにしても生物はいない。山に樹木があって、栄養分が川から海に注ぐこ  とにより生物が生息する。自然の連鎖、循環を意識した取組を考える必要がある。 ・環境を考える上で、農業振興の視点も必要である。農業の担い手が不足し、衰退してい  る中で、将来に向けた農業の在り方を示す必要がある。 (財政、財源について) ・構想や計画を実現するためには財源が必要である。そのためには、本市の産業を活性化  し、税収の増加につなげる仕組みが必要である。また、国や県の補助金などを得やすく  なるような施策展開についても工夫すべきである。 ・国、県のほか、企業などから様々な支援を受けるための仕組みづくりが必要である。 ・少子化により人口減少が進む中で、やはり企業誘致による税収の確保が大事である。 (にぎわいの創出・中心市街地整備について) ・若者をはじめとした多世代が集うまちに何のためにしていくのか、目的を明確にして本  市の将来像を描く必要がある。活力あるまちとしての発展はもちろん、産業都市四日市  においては、産業の発展につながる人材を輩出していく視点も重要である。 ・中心市街地に人を集め、にぎわいをつくるためには、学生、子供連れ家族、就労者、高  齢者など、各世代に応じた居場所の確保が必要である。 ・中心市街地のにぎわいをつくるためには、市内・市外の両方から人を呼び込めるような  まちづくりが必要である。平日は市民の憩いの場として、休日は周辺地域からも多様な  人が集まる場として、それぞれ交流とにぎわいを創出するコンセプトとしてはどうか。 ・中心市街地のさらなる活性化に向けて、夜間における商店街飲食店の発展は引き続き重  要である。それと同時に、昼間には、子供連れの家族、学生、高齢者など幅広い世代が  集い、居心地よく歩きたくなるようなまちの姿も追求していく必要がある。 ・四日市の将来を描くためには、中心市街地の活性化は重要である。中心市街地に若い世  代が集まり、にぎわいが生まれることで、周辺地域にもその効果が波及していく。 ・神社仏閣や、地域で古くから伝わり継承している祭り、神事についても本市の大切な観  光資源と捉え、伝統文化をまちづくりに活かしていく必要がある。 ・デジタル化が急速に進む中、今後の図書館の在り方を考えると、デジタル対応等の面に  おいて、将来を見据えた図書館を整備する必要がある。 ・中心市街地の再整備に当たっては、明確にコンセプトを示す必要がある。 ・本市がスポーツホームタウン構想を打ち出し、市民が一体となってスポーツ、チームを
     応援することが、にぎわいの創出につながると考える。 ・現在は、中央通り再編計画やみなとまちづくりプラン、大学の誘致など、行政や議会だ  けでなく、産業界からも期待の声が上がっている好機である。官民一体となってしっか  り議論すべきである。 5.四日市市の将来都市像を議論する上での論点整理  以上の議員間討議を受けて、本市の将来都市像についての論点を以下のとおり5項目に 整理し取りまとめました。 (1)四日市港を活かしたまちづくり  1)四日市地区に観光で誘客しようとしても、現状では観光資源(潮吹き防波堤、跳ね上   げ式の末広橋梁など)へのアクセスが悪い。四日市地区の活性化のためには、「駐車場   の整備」「バスが通行できるような道路の拡幅」「JR四日市駅からの動線の確保」「新   たな路線の新設等に向けたバス事業者との協議」「JR臨港線の活用の可能性調査」な   ど、人を集めるための動線を確保し、アクセスを向上するための施策が必要である。  2)四日市港に関するこれまでの本市施策の経緯を踏まえると、親水空間の創出は本市に   必要な施策である。親水空間の確保に当たっては、四日市みなとまちづくりプランで   交流とにぎわいの創出を掲げている方向性も踏まえ、四日市地区が適地である。  3)物流と人流が互いに安全に共存できる動線確保のためのすみ分けを計画的に進めると   ともに、東海環状自動車道や北勢バイパスの全線開通によって四日市港の背後圏がさ   らに広がることで、その背後圏の経済を支える四日市港のさらなる物流機能強化に向   けた施策が必要である。  4)霞4号幹線の南進化は、四日市地区へのアクセス向上や国道23号等の渋滞緩和、物流   機能の向上など大きな効果が期待でき、本市の今後を考える上で必要な施策である。   多くの費用負担も予想されるが、将来のビジョンをしっかり描いて、実現に向けて国   等と連携しながら検討を進める必要がある。  5)四日市港に関する施策の検討に当たっては、産業、環境、防災などの面において、伊   勢湾までを視野に入れたまちづくりを行うという視点も必要である。  6)四日市港を活用したまちづくりに産業界が理解を示している現状を好機と捉え、行政   と議会だけでなく、事業者や国、県の協力を得ることが求められる。あらゆる可能性   を排除することなく、四日市港の理想像を求めて施策の検討を進めていく必要がある。 (2)公共交通を活かしたまちづくり  1)バスタ整備に当たって、全国の各都市はもちろん、県内各所とバス路線でつなぎ、バ   スの本数増やルート改善などの利便性を向上させることにより、市民がバスタ整備の   効果を最大限享受できるような取組が求められる。観光、災害などの面で全国のバス   タ間の連携も期待できるため、新たな発想でバスタ整備を活かした施策を進める必要   がある。  2)本市西部地域は、南北を結ぶ路線が少ないため臨海部を経由しなければならず、また、   本数も少なく利便性が低いため、公共交通を維持するための課題が多い。民間事業者   との協議や国等への働きかけはもちろんのこと、「デマンド交通のさらなる活用」「自   動運転車両の導入」「市内循環バスなど新たなバス路線の新設」「運転免許証の返納を   増やすための取組」など、新たな視点を入れて施策を検討する必要がある。  3)鉄道事業者、バス事業者の枠を越えた施策が求められる。競合相手であっても両者が   互いに手を組めるような施策を本市が主導し、現在の規制の枠を越えた公共交通の活   用策を検討する必要がある。 (3)環境と産業の調和のとれたまちづくり  1)国が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、本市産業においても、温   室効果ガスの削減や新エネルギーへの転換など、社会情勢の変化や法改正等への柔軟   な対応が求められる。産業都市四日市の持続的な発展のために、産業界、国、県との   連携が今後ますます重要となる。  2)戦後の四日市を支えてきた石油化学コンビナート等は、今後の本市の成長、発展にな   くてはならない。砂浜を埋め立て、緩衝緑地を設け、工場敷地の緑地率を厳しく制限   してきたことなど、これまでの歴史も踏まえた施策の検討が必要である。また、環境   保全と産業振興を両立していくという本市の考え方を、市民、企業に対し、将来に向   けて明確に示す必要がある。  3)四日市港、伊勢湾をきれいで豊かな海にし、市民が自然に親しむことができるように、   本市を含めた産官学の多様な主体が連携、協働するとともに、今後の国の動向も注視   しながら、多くの市民を巻き込んでブルーカーボンの事業に取り組む仕組みづくりが   必要である。  4)市内陸部への企業立地の傾向は今後も想定される。鈴鹿山系から伊勢湾に至る本市の   豊かな自然環境を守るため、グリーンカーボンの視点を持って、周辺の農地や里山等   の保全と併せた産業振興施策が必要である。なお、(3)3)のブルーカーボンの事業と   組み合わせることにより、炭素循環に対応した施策のさらなる効果が期待できる。 (4)健全な財政を維持するためのまちづくり  1)四日市港や中心市街地等におけるハード整備、公共交通の維持・確保、市域全体での   環境保全など、各種施策の実現には多くの予算が必要となる。そのためには、本市の   産業を活性化し、魅力あるまちづくりを進めることで若い世代の定住を促進するなど、   税収の確保につなげる施策展開が必要である。  2)多くの予算が必要な施策の実現には、国、県からの補助金交付が不可欠である。また、   補助金の交付だけでなく、国等から本市施策への協力が得られるように、日頃から国   等への働きかけを継続的に行っていく必要がある。 (5)若者をはじめ多世代が集う賑わいあるまちづくり  1)本市が将来にわたって、多世代が集い、にぎわいあるまちであるためには、中心市街   地の活性化は不可欠である。「買い物や交流を行う拠点の創出」「次世代モビリティの   活用」「回遊性の向上」「観光資源としての伝統文化の活用」など、様々な視点からに   ぎわい創出に向けた施策を複合的に実施していく必要がある。  2)市内外から人を呼び込めるような視点でのまちづくりが必要である。飲食店を中心に   現在にぎわいを見せている夜間の中心市街地については、安全安心な環境を確保しな   がら、引き続き活力あるまちの発展が求められる。それと同時に、昼間には、憩いの   場として多世代が集い、居心地よく歩きたくなるようなまちづくりも求められる。  3)現在検討中のJR四日市駅前への大学設置に向けては、協議等における国、県との連   携はもちろん、必要な土地の確保や人材育成、開学後の研究などの面で民間事業者の   協力が不可欠である。今後様々な課題を解決し、本市の活性化とにぎわいの創出に資   する事業とする必要がある。大学の設置に関しては、産業都市四日市の特性に応じた   地域人材が育成できる学部、学科の設置が求められる。  4)中央通りの再編や新図書館整備においては、将来を見据えて中心市街地のコンセプト   を明確にし、デジタル化など時代の流れに対応した整備を進めていく必要がある。  5)市民と行政が一体となってスポーツを支援し、誰もがスポーツに親しめるような、ス   ポーツの力を活かした地域活性化のための施策展開が必要である。例えば、プロスポ   ーツ等のチームの本拠地を誘致し、現在の包括連携協定にとどまらない積極的な支援   を行う「スポーツホームタウン」を推進することにより、トップスポーツに触れる機   会の創出、スポーツへの機運やチームへの愛着の高まり、まちの魅力向上につながる   ことが考えられる。 6.まとめ  本市は、令和2年度から10年間を計画期間とする四日市市総合計画の中で、「子育て・ 教育安心都市」「産業・交流拠点都市」「環境・防災先進都市」「健康・生活充実都市」の4
    つの将来都市像を掲げ、施策を推進しています。しかしながら、急速な人口減少社会やデ ジタル化社会の到来、カーボンニュートラルの達成など、様々な社会経済情勢が目まぐる しく変わっていく時代が想定される中で、総合計画の計画期間を超える20年後、30年後、 さらにその先の四日市のあるべき姿について議会としてしっかりと議論し、市民に分かり やすく示していくことが改めて必要だとの想いに至りました。  また、2027年のリニア中央新幹線、東京-名古屋間の開通に向けて現在進めている近鉄 四日市駅周辺からJR四日市駅における中央通りの再編、新たなバスターミナルや図書館 などの整備、また、昨年、商工会議所が中心となり策定された四日市みなとまちづくりプ ランに基づく四日市港の将来像に向けた民間事業者との新たな取組など、今後の本市にお ける都市の在り方に重大な影響を与える計画や事業が動き出している今のタイミングこそ、 今後の四日市のあるべき姿を明確に示し、市民に説明していく責務があると考えました。  さらには、現在、本市で長年懸案となっている公共交通の維持・発展、渋滞解消に向け た主要幹線道路の整備、市街化調整区域の適正な土地利用など様々な地域課題に対応し、 近鉄四日市駅周辺の中心市街地だけではなく、持続可能なまちとして全市域で発展してい くことの重要性についても再認識しました。  当委員会で調査研究を行っていく中では、各委員から数多くの問題提起や課題の指摘、 また、将来を見据えた幅広い提案が行われました。本市がまだまだ多くの行政課題を抱え る中で予算に限りがあることや、国・県・民間の協力が不可欠な事象など本市だけでは解 決できない問題、関係者や地域住民との合意形成など、新たな施策の検討、実現には大き なハードルがあることは理解をするところです。しかしながら、本市のあるべき姿を追求 していくためには、実現できない理由を探すばかりでなく、あらゆる可能性を排除せずに 四日市の理想の将来像を追い求めていくことは重要です。総合計画とそれに即した個別計 画に基づく施策について、議会としてしっかりとチェックしていくことはもちろんですが、 横断的かつ広い視野を持って課題やその改善点を指摘したり、市民からの意見を反映した 新たな施策も提案しながら、四日市の理想の将来像を掲げ、その実現に向けて本市行政の 取組を支援していくことは、本市議会の大きな役割であると考えます。  このような考えの下、当委員会では8回の会議を開催し、議員間討議を重ねることで、 本市の将来都市像についての論点を大きく5項目に整理し、取りまとめました。これらの 論点は、今後の長期的な都市ビジョンを描いていくための本市のあるべき姿を示したもの でありますが、本市の将来都市像をさらに具体化し、その内容を明確かつ分かりやすく発 信していくための手法を検討していくには、来期さらに深く議論していく必要があるとの 結論に至りました。  そこで当委員会としましては、取りまとめた5つの論点を踏まえ、本市の目指すべき将 来都市像を市民、企業と共有できるよう分かりやすく示すとともに、その実現に向けた手 法等を検討するために、さらに掘り下げて議論していくことを目的とした特別委員会の設 置に向けてお取り計らいいただくことを強く願いまして、当委員会の調査報告といたしま す。 ---------------------------------------------------------------------------------- 〔委員会の構成〕   委員長    樋 口 龍 馬   副委員長   山 口 智 也   委  員   伊 藤 昌 志   委  員   井 上   進   委  員   荻 須 智 之   委  員   加 納 康 樹   委  員   笹 井 絹 予   委  員   笹 岡 秀太郎   委  員   早 川 新 平   委  員   三 木   隆   委  員   森   智 子                                  ┌─────┐                                  │別添資料1)│                                  └─────┘ JR四日市駅周辺活性化事業調査特別委員会(平成20年12月から平成22年3月まで設置) から報告された13項目の要請に対する現在の対応状況  JR四日市駅周辺活性化事業調査特別委員会から報告された13項目の要請について、現 在の市の取組状況や課題を調査し、それらに対し、当委員会において確認を行った。  1)JR四日市駅周辺の喫緊の課題    JR四日市駅周辺は、小売店、飲食店が少なく、夜間も暗い状況であり、喫緊の課   題として、駅前広場への照明の設置や広場の整備等、近鉄四日市駅と並ぶ市の玄関口   としての来訪者への対応  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │中心市街地再編の中でJR四日市駅前広場を含む周辺の再開発を │  │        │進める。                          │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│2027年のリニア中央新幹線の開通に向けて、JR東海やその他の │  │        │民間事業者と連携して賑わい創出に向けた取組を進めていく必要 │  │        │がある。                          │  └────────┴──────────────────────────────┘   (委員からの意見)   ・JR四日市駅前は閑散としており、タクシーを捕まえるのにも苦労したという話を    聞く。市単独でできることには限りがあり、特に賑わいの創出には民間の協力が不    可欠だが、民間事業者の協力を得るには利益を生み出す仕組みがなければ成り立た    ない。JR四日市駅周辺整備をはじめ、官民連携して計画を進めようとする際には、    民間事業者の立場をよく理解して行政が主導しなければならない。  2)貨物列車の入換時間の見直し    踏切遮断時間に大きく影響を与える貨物列車の入換えについて、午後8時以降への   スライド化  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │・JR貨物及びJR東海へヒアリングを行ったところ、入換時間 │  │        │ を午後8時以降にすると、夜間における線路保守点検の時間確 │  │        │ 保が困難になるため、入換時間の見直しはできないとの回答で │  │        │ あった。                         │  │        │・JR四日市駅における自由通路の整備や国道164号の立体交差化 │  │        │ の検討を進めている。                   │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│JR四日市駅における自由通路の整備や国道164号の立体交差化  │  │        │の実現に向けて、スピード感をもって取組を進める必要がある。 │  │        │なお、貨物列車の通過の際に長時間踏切が閉鎖している現状を課 │  │        │題と捉え、広い視野で課題解決に当たること。         │  └────────┴──────────────────────────────┘  3)賢い踏切システムの導入    踏切遮断時間を短縮するため、行政からの財政支援を考慮した、列車速度に対応し
      た踏切システムの導入  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │・JR東海へヒアリングを行ったところ、JR四日市駅には全て │  │        │ の列車が停止することから、仮に「賢い踏切」を導入したとし │  │        │ ても、踏切遮断時間を短縮できる効果はほとんどないため、事 │  │        │ 業者としては「賢い踏切」を導入することは考えていないとの │  │        │ 回答であった。                      │  │        │・JR四日市駅における自由通路の整備や国道164号の立体交差化 │  │        │ の検討を進めている。                   │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│JR四日市駅における自由通路の整備や国道164号の立体交差化  │  │        │の実現に向けて、スピード感をもって取組を進める必要がある。 │  │        │なお、貨物列車の通過の際に長時間踏切が閉鎖している現状を課 │  │        │題と捉え、広い視野で課題解決に当たること。         │  └────────┴──────────────────────────────┘   (委員からの意見)   ・JR貨物四日市駅の移転は実現しなかったが、踏切による渋滞発生等の課題は残さ    れている。連続立体交差化や貨物駅移転による経済効果は、机上の計算だけでは計    り知れない部分がある。  4)JR四日市駅駅舎の建替え、駅前広場の整備と有効活用    JR四日市駅東側住民の駅へのアクセス方法の改善のための東西自由通路の設置と   ともに、東西自由通路と一体化した駅舎の建替えによる耐震対策とエレベーター設置   などのバリアフリー化、駅舎とホームの間の貨物退避線の除去によるホームへのアク   セスの改善及び駅前広場の整備による商業利用などの有効活用  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │・JR東海が駅のバリアフリー化を図るため、平成26年度に駅構 │  │        │ 内に整備したエレベーター等の施設整備に国、県、市で協調補 │  │        │ 助を行い、支援した。                   │  │        │・JR四日市駅前への大学などを中心とした施設の立地及び東西 │  │        │ 自由通路の設置に関して、関係者と協議を進めている。    │  │        │・中心市街地再編の中でJR四日市駅前広場を含む周辺の再開発 │  │        │ を進める。                        │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│2027年のリニア中央新幹線の開通に向けて、中央通りの再編や、 │  │        │本市が現在検討している大学の誘致などとも連動させて人が集ま │  │        │る駅前空間の創出に取り組む必要がある。なお、リニア中央新幹 │  │        │線名古屋駅での乗り換えの利便性や運賃においては、JRが近鉄 │  │        │に比べて優位性があり、今後JR利用者の増加が想定されること │  │        │を視野に入れたJR東海との協議も必要である。        │  └────────┴──────────────────────────────┘   (委員からの意見)   ・名古屋のリニア中央新幹線の新駅は、近鉄よりもJR在来線へのアクセスに優れる。    JRの優位性が向上することも念頭に置いて、まちづくりを進めるべきである。   ・令和5年4月に近鉄の乗車料金が値上げする予定であり、四日市・名古屋間におけ    る近鉄とJRの運賃の格差がさらに広がる。JRの需要増を見据えた早期の対応も    検討すべきと考える。   ・複線化はJRの協力がなければ実現できないため、JR側と意見をすり合わせ、実    現可能な方策を模索してほしい。  5)JR四日市貨物駅移転用地の一団化    点在している現用地を土地区画整理手法などによる一団化や一部買い増しを図り、   土地活用の幅を広げる  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │・土地区画整理手法の検討は行ったものの、津波や洪水等の浸水 │  │        │ 区域であることから、土地の地盤を一定の高さまで上げる必要 │  │        │ があり、多額の費用を要することから事業の成立性が低く、一 │  │        │ 団化は困難である。                    │  │        │・三重橋垂坂線の整備を進めることで民有地も併せた土地利用も │  │        │ 可能となることから、JR四日市貨物駅移転用地の処分を進め、│  │        │ 土地の一団化や利活用を促す。               │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│JR東海貨物ヤードの羽津古新田への移転計画が中止となったこ │  │        │とに伴い、JR四日市貨物駅移転用地としての活用は行わないが、│  │        │土地の利活用の促進を図る必要がある。            │  └────────┴──────────────────────────────┘  6)JR四日市貨物駅移転用地の利活用    総務省の土地開発公社経営健全化対策措置要領では、土地開発公社経営健全化計画   に基づく債務保証対象土地は、買戻し年次から10年以内に事業の用に供することとな   っているため、暫定的な土地利用として、現状に近い状態で土地利用ができ、国の補   助事業にも合致するメガソーラー発電設備等への活用  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │暫定的な土地利用を促進することはできなかったが、三重橋垂坂 │  │        │線の整備を進めることで民有地も併せた土地利用も可能となるこ │  │        │とから、JR四日市貨物駅移転用地の処分を進め、土地の利活用 │  │        │を促す。                          │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│JR東海貨物ヤードの羽津古新田への移転計画が中止となったこ │  │        │とに伴い、JR四日市貨物駅移転用地としての活用は行わないが、│  │        │土地の利活用の促進を図る必要がある。            │  └────────┴──────────────────────────────┘  7)三重橋垂坂線の東進化    貨物駅移転用地の一団化に合わせて、都市計画決定道路である当路線の東進化  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │令和2年度から測量業務に着手し、地質調査や関係機関との協議 │  │        │を進めている。                       │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│引き続き現在の取組を進める必要がある。           │  └────────┴──────────────────────────────┘  8)JR四日市駅周辺商店街の活性化    老朽化し防災上大きな問題がある三和商店街の公営住宅、高齢者施設等集合ビル化   による現住高齢者への対応、文化施設の建設  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │・現在は駐車場として利用されている。            │  │        │・関係者とは令和元年度から意見交換会を行っているが、所有者 │  │        │ 不明の土地があるなど活用については、課題も多い。     │  │        │・今後も活用に向け、関係者と協議を進める。         │
     ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│倒壊の危険性のある建物が解体され、関係者と協議を進めている │  │        │ことを確認した。引き続き、残された課題解決や今後の活用に向 │  │        │けて現在の取組を進める必要がある。             │  └────────┴──────────────────────────────┘  9)国道164号の立体交差化    東西交通の円滑化を図るため当該道路の立体交差化を進める  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │立体交差化の検討を行うとともに、三重県と協議を進めている。 │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│スピード感をもって現在の取組を進める必要がある。国道164号の │  │        │立体交差化により渋滞の解消が期待できるが、完成までの間の渋 │  │        │滞問題の緩和・解消に向けた取組についても幅広く手法を検討す │  │        │る必要がある。                       │  └────────┴──────────────────────────────┘   (委員からの意見)   ・JR貨物四日市駅の移転は実現しなかったが、踏切による渋滞発生等の課題は残さ    れている。連続立体交差化や貨物駅移転による経済効果は、机上の計算だけでは計    り知れない部分がある。  10)四日市中央線『中央通り』の東進化    中央通りの東進化により四日市港と四日市中心街を都市軸として結ぶ    国道23号東側地域は高齢化率が高いことから、JR四日市駅周辺への徒歩による移   動への配慮  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │中央通り再編にあわせて自由通路の整備を進める。       │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│中央通りの再編計画に示されている自由通路の整備は、歩行者の │  │        │東西の移動の利便性向上が期待できる。中央通りの再編における │  │        │現在の取組を進めるとともに、さらなる活用策の検討も必要であ │  │        │る。                            │  └────────┴──────────────────────────────┘   (委員からの意見)   ・JR貨物四日市駅の上部に空間を設け、道路を通すといった構想も検討してほしい。  11)JR四日市駅南側阿瀬知踏切への歩道橋の設置    踏切遮断時間がもっとも長い(5時間37分/日)踏切に対して歩行者対策として歩   道橋を設置する  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │・歩道橋の設置には至っていないものの、歩行者の安全対策とし │  │        │ て、平成26年度から28年度に近隣の浜田踏切において、踏切前 │  │        │ 後の歩道整備及び踏切内の歩道部における再舗装(カラー舗装)│  │        │ を行った。                        │  │        │・中央通り再編にあわせて自由通路の整備を進める。      │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│スピード感をもって現在の取組を進める必要がある。浜田踏切の │  │        │歩道の拡幅や自由通路の設置により一定の効果は見込まれるが、 │  │        │JRの路線を挟んだ東西の移動を課題と捉え、他の改善策につい │  │        │ても検討する必要がある。                  │  └────────┴──────────────────────────────┘  12)仮称『JR四日市駅周辺活性化まちづくり委員会』の常設化    JR四日市駅周辺住民、商店街関係者、地権者、行政等による課題解決に向けた会   議体の発足と定期的な開催  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │・中央通り再編に係る検討について、周辺自治会や商店街関係者、│  │        │ 地権者、行政等協議に地元にも参加していただくほか、三和商 │  │        │ 店街を含む7番街区とも定期的に意見交換を行っている。   │  │        │・関係者とは令和元年度から意見交換会を行っているが、所有者 │  │        │ 不明の土地があるなど活用については、課題も多い。     │  │        │・今後も活用に向け、関係者と協議を進める。         │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│関係者との協議を進めてきたことを確認した。引き続き、残され │  │        │た課題解決に向けて取組を進める必要がある。         │  └────────┴──────────────────────────────┘  13)JR東海との懇談体制の確保    行政側の担当窓口を設置するとともに、JR四日市駅周辺住民と行政及びJR東海   との懇談体制の確立  ┌────────┬──────────────────────────────┐  │現在の対応状況 │・平成22年度から交通事業者、市民、行政等の関係者で構成する │  │        │ 四日市市都市総合交通戦略協議会にJR東海も参画し、四日市 │  │        │ 市都市総合交通戦略を策定した。              │  │        │・平成29年度から近鉄四日市駅周辺等整備事業基本構想検討委員 │  │        │ 会にJR東海や周辺自治会が参画し、基本構想を策定した。  │  │        │・また、令和2年度からは中央通り再編関係者調整会議にJR東 │  │        │ 海や周辺自治会が参画し、基本計画を検討するなど連携を図っ │  │        │ ている。                         │  ├────────┼──────────────────────────────┤  │当委員会での確認│関係者との協議を進めてきたことを確認した。引き続き、中央通 │  │        │り再編や大学の設置などでの連携を図っていく必要がある。なお、│  │        │必要な施策の実現に向けては、近隣市町とも連携し、さまざまな │  │        │機会を通じて国、県への要望や働きかけを行っていくこと。   │  └────────┴──────────────────────────────┘   (委員からの意見)   ・JR四日市駅前に大学を誘致するのであれば、ある程度まとまった土地が必要であ    る。JR東海等が所有する土地を活用させてもらうことについても協議が必要であ    る。   ・貨物駅の移転や複線化についてはJRの協力がなければ実現できないため、JR側    と意見をすり合わせ、実現可能な方策を模索してほしい。   ・JR四日市駅は貨物を取り扱う拠点として、他の駅とは異なる特性を有している事    情は理解しているが、市としてJR四日市駅をどうしていきたいのか、先々の形を    示し、JRも含めて議論を行っていかなければならない。   ・JR四日市駅にあまり人員が配置されておらず、JRに積極性がないように感じる。    各種計画を進める中でJRの協力も必要となるが、市としてしっかりと要望を伝え    てほしい。                                  ┌─────┐                                  │別添資料2)│
                                     └─────┘        当委員会で出された委員からの主な提案・意見等について (四日市港について) ・BAURAミーティングのようなイベント・企画を通じて、四日市港を活かしたまちづ  くりを考えることは重要である。参加者の意見や専門家からのアドバイスを参考とし、  成果や課題を共有してほしい。 ・港をテーマとしたまちづくりに賛成であり、応援したい。「庭浦(BAURA)」という  言葉が市民には定着していないように感じるので、広報に工夫が必要である。 ・潮吹き防波堤や稲葉三右衛門記念公園等へのアクセスが悪く、四日市地区は駐車場がな  い。賑わいを創出するためには、アクセス向上の検討が必要である。 ・秋田港クルーズ列車の事例では、国や県、市が整備費や保守点検費の一部を負担してい  る。本市のJR臨港線を旅客輸送として使う場合に必要となる経費などの調査を行い、  実現可能性を探ってほしい。 ・JRの臨港線を活用して四日市地区に客車を走らせようとすれば多額の費用がかかり、  民間企業との調整など課題もあって難しいことは理解するが、臨港線を四日市港活性化  の売りに使えるような活用方法を検討してほしい。 ・霞ヶ浦地区に比べ、四日市地区には公衆トイレが整備されていない。観光やイベントで  人を集めるためには、公共施設のトイレを整備する必要がある。 ・港には物流業者の車両が行き交い、港湾事業者等の設備もあるため、市民が気軽に訪れ  るには危険な場所もある。にぎわいの創出には港湾関係者の理解を得る必要がある。 ・海のアクティビティを楽しむ中で誤って航路に侵入すると非常に危険であるため、船の  航路とのすみ分けを適切に行い、安全対策を講じて慎重に進めてほしい。 ・将来にわたって人を惹きつけるためには、単発のイベントだけでなく、ショッピングセ  ンターやアウトレットモールなどの大型商業施設を誘致し、若い世代を誘客することも  効果的ではないか。立地場所に課題はあるが、関係者の知恵を借りて検討してほしい。 ・霞4号幹線を南進化させる場合、一つは、国道164号を港上に東進させて霞4号幹線と  合流をさせる方法が一つ考えられる。また、塩浜地区まで南進して国道25号に接続させ  るのが一番効果的と考える。 ・四日市港の物流に関連し、本市から見ると滋賀県は遠くに感じるが、滋賀県から見ると  意外と本市は近いと考えられている。滋賀県側の荷物を四日市港まで運んでもらえるよ  うな物流機能の強化のための施策が必要である。 ・バスタ整備を契機として、中心市街地から近い四日市地区に一般旅客定期航路を就航さ  せることについて、可能性を閉ざすことなく、今後の検討材料としてほしい。 ・将来的に実用化が期待される「空飛ぶタクシー」について、四日市港エリアでの活用を  広い視野で検討していってほしい。 ・本市は四日市港の活用についての方向性を示しているが、防災・防衛面の視点が抜けて  いる。平時から防災力を高めていくためには、自衛艦が入港できる施設など海上自衛隊  の関連施設を整備していく視点が必要である。 (公共交通について) ・市内の循環バスを走らせることで、観光に資することも考えられるのではないか。バス  事業者への市からの補助も必要となるが、知恵を出し合って検討してほしい。 ・本市西部から公共交通機関で移動しようとすると、臨海部を回らなければならず、運賃  や時間がかかるため、学生は自転車通学を選択して公共交通を使わなくなっていく。自  転車通学は、車両の通行量が多い路線も多く、安全面が不安である。 ・軽自動車の維持費が安すぎるがゆえに公共交通の利用が落ち込んでいる現状がある。公  共交通の維持に補助金を出すのであれば、大胆に投資し、本数の充実や運賃の値下げを  実施しなければ利用は増えない。 ・リニア中央新幹線東京-名古屋間の開通後、大阪までの延伸によって、本市がさまざま  な便益を受けることが想定される。この延伸に当たって本市が果たす役割を明確に打ち  出し、時勢に乗り遅れない施策を展開してほしい。 (環境、産業について) ・カーボンニュートラルの取組において、企業間では話し合いが膠着してしまうが、行政  が間に入ることで情報共有が図られ、方向性を見出すに至ったとの話を聞いたことがあ  る。行政が効果的な役割を果たすことを期待する。 ・かつて本市の沿岸部は砂浜が広がり、市民に親しまれる海辺が広がっていたが、工業化  の進展に伴い姿を消してしまった。例えば、水生生物を展示し、市民に海の水質改善を  実感してもらうなど、環境もまちづくりのテーマとして大切にしてほしい。 ・四日市港、伊勢湾におけるブルーカーボンの今後の取組に関し、その施策の方向性につ  いての共通認識を持って進めてほしい。 ・緩衝緑地は風水害を軽減するというイメージが強いが、本市などの工業地帯を有する地  域では臨海部の事故等から住宅地を守る役割も有している。 ・自動運転技術の産業への活用については、現状、本市での事例はないとのことだが、本  市ならではの活用方法もあるかもしれないので、施策展開できるように研究してほしい。 ・カーボンニュートラルに向けて、トラック輸送よりエネルギー効率の高い鉄道貨物輸送  のさらなる活用も必要ではないか。 (中心市街地のにぎわいについて) ・賑わい創出社会実験の結果を見ると、特に平日の集客に課題があったと考える。 ・中心市街地の回遊性を向上させることにより、近隣の商店街など、周辺地域への波及効  果が期待できる。 ・学生が訪れるスポーツ施設や商業施設を造ることによって、それらの学生が飲食店もあ  わせて利用することとなり、相乗効果でにぎわいが生まれる。 ・中心市街地の商店街は居酒屋を中心とした「夜のまち」となっている現状だが、利益を  生み出すところに民間が投資をしてきた時代の流れを受けて現在の発展がある。そのよ  うな「夜のまち」を支援していくまちづくりも一つの手法として必要ではないか。 ・「夜のまち」に特化していくことで、治安とのバランスの課題が出てくる。区域などの一  定のすみ分けを行うことで、「夜のまち」の発展と治安の確保が両立できるのではないか。 ・中心市街地でマンション建設が進み、人口が回復している傾向を踏まえた将来のまちづ  くりについても議論する必要がある。単に人を集めるだけではなく、仕事で定住し、子  育てし、その子供がまた定住してもらえるような施策誘導も必要である。 ・本市の中心市街地には、諏訪神社や鵜森神社などの神社が観光資源としてあり、四日市  駅からも近く、人を呼び込むポテンシャルがあると考える。例えば、近鉄四日市駅から  神社に向けて参道を整備すると、面白いまちづくりができるのではないか。 ・鯨船、石取祭り、けんか祭りなど、伝統的な祭りや神事と行政との関わり方は、職員の  立場として宗教との兼ね合いで難しい部分もあるため、政治が後押しする必要がある。 ・行政がまちづくりを進める起爆剤として、各地区市民センターを活用して地区ごとに地  域のまちづくりについて議論する手法も良いのではないか。これに加えて、市全体のま  ちづくりを語る場も必要と考える。 (JR四日市駅前への大学の誘致について) ・近年新設された公立大学の事例によると、多額の経費がかかっている。既存の大学法人  を呼び込むとしても、市として土地を確保するだけでなく、ある程度の支出を覚悟しな  ければならない。 ・JR四日市駅前のスペースでは大学の用地を確保できるのか不安がある。デジタル分野  の学科であれば省スペースでも運営できるのではないか。 ・近年、名古屋駅をはじめとする中心部に、郊外から移ってくる大学施設が増えている。
     そういった大学のサテライトキャンパスを誘致する方法も考えられる。 ・少子化が進む中、新たに大学を設置しても学生数を確保できるか不安がある。 (中央通りの再編について) ・スケートボードによる騒音の発生に懸念がある。賑わい創出社会実験を行う中で、音の  発生状況や市民の反応などを確認してほしい。 ・中央通りから四日市港をつなぐ自由通路は歩行者と自転車が通る計画だが、それだけで  は人の流れを港側に呼び込むには弱い。自動運転車両や自動車が通行できるような検討  も必要である。 ・バスタを自動運転車両に対応したものにする必要がある。 ・本市で自動運転車両の実証実験を行っている企業の担当者と意見を交わしたが、非常に  協力的な印象を受けた。より良い協力関係を築いて施策に取り組んでほしい。 ・リニア中央新幹線の開業は遅れる可能性が出てきているが、新図書館整備、JR四日市  駅周辺への大学の誘致等を含めた中央通りの再編については、リニア中央新幹線の開通  予定の2027年を目標として引き続き取り組んでほしい。 (新図書館について) ・電子図書館を積極的に活用し、デジタル時代に対応した新図書館としてほしい。 ・新図書館の整備に向けては、「予算の確保」「市民(利用者・非利用者、地域住民)ニー  ズの把握」「デジタル化社会・コロナ禍社会への対応」が求められる。市民にコンセプト  を説明し市民意見を吸い上げる場をつくって、それを整備に反映させることで、市民か  ら真に喜ばれる図書館になる。 8:           常任委員会の所管事務調査報告について  常任委員会の所管事務調査について、別紙のとおり報告します。   令和4年12月23日                      総務常任委員長    伊 藤 嗣 也                      教育民生常任委員長  森 川   慎 四日市市議会  議長 森   康 哲 様 ───────────────────────────────────────── 総務常任委員会 ○ハザードマップ・コミュニティタイムラインの活用及び津波避難ビルの現状について 1.はじめに  防災・減災の取り組みについては、日々情報が更新され、本市の取り組みもそれに合わ せてさらに強化していく必要がある。本市においても、危機管理監を危機管理統括部と名 称変更し、危機管理課に地域防災支援グループを新設したことにより、地域での防災・減 災の取り組みをさらに強化していくことが期待されている。  ハザードマップの取り組みについては、本市においても、津波、洪水、内水、土砂災害 など様々な災害に関するハザードマップをそれぞれ作成しており、これらのハザードマッ プを活用した情報発信や、これらのハザードマップを活用した防災訓練等を各地区で実施 できるような取り組みが求められる。  タイムラインの取り組みについては、本市では、四日市市タイムラインにより、各部局 や関係機関などの行動を時系列で示しているほか、マイ・タイムラインの取り組みとして、 市民が災害時の自身の行動について考えるため家族防災手帳の配布等による啓発を行っ ている。近年、地域で災害時の行動計画を作成するコミュニティタイムラインを取り入れ る自治体があり、本市のタイムラインに関する今後の考え方を改めて確認する必要がある。  津波避難ビルについては、協定の締結から時間が経過しており、それぞれの津波避難ビ ルの現状把握について当委員会から指摘しており、当委員会としても継続して調査の状況 を把握する必要がある。  防災・減災の取り組みとして、ハザードマップ、コミュニティ・タイムラインの活用、 及び津波避難ビルの現状の取り組みについて理解を深めるために、所管事務調査を行った。 2.ハザードマップの活用について (1)ハザードマップについて  本市における現状のハザードマップは、以下のとおり。 ┌───┬────────────────────┬───────────────┐ │種 類│        対 象         │     主な内容      │ ├───┼────────────────────┼───────────────┤ │   │鈴鹿川水系(鈴鹿川、鈴鹿川派川、内部川)│想定しうる最大規模の場合の最大│ │   ├────────────────────┤               │ │   │朝明川水系(朝明川)          │浸水深、土砂災害警戒区域、指定│ │   ├────────────────────┤               │ │   │三滝川水系(三滝川、金渓川、矢合川、三滝│避難所・緊急避難所の位置、情報│ │洪 水│新川)                 │収集先など          │ │   ├────────────────────┤               │ │   │海蔵川水系(海蔵川)          │               │ │   ├────────────────────┤               │ │   │天白川水系(天白川・鹿化川)      │               │ │   ├────────────────────┤               │ │   │鈴鹿川水系(内部川・鎌谷川・足見川)  │               │ ├───┼────────────────────┼───────────────┤ │内 水│四日市市内水浸水想定区域図       │内水による浸水が発生した場合の│ │   │                    │浸水想定           │ ├───┼────────────────────┼───────────────┤ │高 潮│伊勢湾沿岸[三重県区間]高潮浸水想定区域│施設の能力を超える規模の高潮に│ │   │図                   │よる浸水想定         │ ├───┼────────────────────┼───────────────┤ │土 砂│土砂災害ハザードマップ         │土砂災害のおそれがある箇所を表│ │災 害│                    │示              │ ├───┼────────────────────┼───────────────┤ │津 波│津波避難マップ             │南海トラフ地震による津波の浸水│ │   │                    │深、津波避難目標ラインなど  │ └───┴────────────────────┴───────────────┘ (図省略)                    (図省略) 〈天白川・鹿化川洪水ハザードマップ〉       〈津波避難マップ〉 (2)洪水ハザードマップ作成のためのワークショップ実施  平成27年の水防法改正により、国、都道府県又は市町村は想定し得る最大規模の降雨・ 高潮に対応した浸水想定を実施し、市町村はこれに応じた避難方法等を住民等に適切に周 知するためにハザードマップを作成することが必要となった。  本市では、国や三重県が作成主体となって作成・公表した対象河川の浸水想定区域図を 広く知ってもらうことを目的として、平成30年度より地区ごとにワークショップを開催 し、自治会や自主防災組織関係者に浸水想定区域図を周知したうえで、洪水ハザードマッ プを作成・配布している。 (図省略)
            〈令和3年度ワークショップの様子(小山田地区)〉      〈洪水ハザードマップ作成のためのワークショップの実施時期〉 ┌─────┬───────────┬─────────────────────┐ │実施時期 │対象河川       │対象地区                 │ ├─────┼───────────┼─────────────────────┤ │平成30年度│鈴鹿川・内部川    │楠・塩浜・内部・河原田・日永       │ ├─────┼───────────┼─────────────────────┤ │令和元年度│朝明川        │富洲原・富田・八郷・下野・大矢知・保々  │ ├─────┼───────────┼─────────────────────┤ │令和2年度│三滝川・海蔵川    │中部(中央・共同・同和・浜田・港)・橋北・│ │     │           │羽津・常磐・海蔵・三重・神前・川島・県・ │ │     │           │桜                    │ ├─────┼───────────┼─────────────────────┤ │令和3年度│内部川・鎌谷川・足見川│小山田・水沢・内部            │ │     │天白川・鹿化川    │四郷・常磐・日永・中部(浜田・港)    │ └─────┴───────────┴─────────────────────┘ ※洪水ハザードマップはデータ作成した翌年度に印刷を行い、対象地区に全戸配布 (3)ハザードマップを使った活動について  本市では、台風による風水害や南海トラフ地震等の大規模災害に備え、災害対策本部や 各部局の災害対応体制の構築及び災害対応力の向上を図ることを目的として、災害対策図 上訓練を実施している。この訓練においては、ハザードマップの状況を踏まえた被害想定 や災害対応の検討を行っている。  また、地域の防災活動においても、ハザードマップを活用した取り組みが行われており、 小学生と地域の方々が一緒にまち歩きを行い、自分たちのまちの防災倉庫や消火栓等の防 災設備や危険個所をチェックし、まち歩きで気づいたことをまとめた「防災マップ」を作 成している。地域が主体となって子ども達に地域の危険個所について気づきを促すことで、 防災意識の醸成を図っている。    (図省略)        (図省略)          (図省略)    〈まち歩き〉       〈防災マップ作戦〉      〈防災マップ発表会〉  ほかにも、防災訓練の中で、市民防災隊が参加者に防災マップの説明を行うなど、ハザ ードマップを活用した取り組みが行われている。 (4)防災情報の発信について  本市では、昨年度、名古屋大学減災連携研究センターとの共同研究により、AR(拡 張現実)技術を活用した防災学習アプリ『ARLook(あるっく)』を導入した。  このアプリは、スマホなどのカメラをかざして、地域を「歩いて」「見る」ことで AR技術により表示される近くの避難所や現在地の浸水深などを見て、自宅やよく訪 れる場所の浸水リスクの確認等に活用することができる。  また、今年度は、これまでに作成してきた洪水、津波及び土砂災害だけでなく、内 水氾濫や高潮等のハザードマップを加えて、情報を一元的に整理し、今後、市民が容 易にハザードの確認ができる冊子版ハザードマップの作成を行っていく。         〈防災学習アプリ『ARLook(あるっく)』〉 (図省略)        (図省略)        (図省略) 3.タイムラインの活用について (1)タイムラインとは  タイムラインとは、災害の発生を前提に、災害時に発生する状況や業務を予め想定し 共有した上で、「いつ」、「誰が」、「何をするか」に着目して、防災行動とその実施主体を 時系列で整理した計画である。 (2)四日市市のタイムラインとその活用状況  本市では、台風による風水害を想定した『四日市市タイムライン(事前防災行動計画)』 を、令和元年度より試行し、令和3年度から運用を開始しており、庁内部局及び県、消 防団などの関係機関を対象に、台風の進路予想で本市が予報円に入る時期(おおよそ5 日前)から台風中心が本市から離れ、再び予報円に入る見込みがないと認められるまで の間の防災行動を時系列で示している。  タイムラインで時間毎の防災対応を見える化することにより、各部局が所管する業務 や、全体で実施すべき業務が明確になり、スムーズな防災対策につながることとなる。  活用実績としては、令和3年度に2回、令和4年度においては7月1日現在で1回、 計3回タイムラインを発動している。 ○四日市市タイムライン(事前防災行動計画) (図省略) (3)マイ・タイムラインについて  マイ・タイムラインとは、ハザードマップにより、自宅の被害想定を確認するなど、 迫りくる災害に対し、どういう状況になったらどういう行動を取るかという、自身の行 動計画を定めるものである。  四日市市では、自助の取り組みとして、家族防災手帳(大人版・こども版)において、 家族の避難計画を作成し、災害発生時に適切な行動を取れるよう、マイ・タイムライン を活用する啓発を行っている。  ○家族防災手帳(大人版)         ○家族防災手帳(こども版) (図省略)                (図省略) (図省略)                (図省略) (4)コミュニティタイムラインについて  コミュニティタイムラインとは、地域の防災行動について時系列で示したもので、避 難の準備や避難の判断等を住民自らが行うことで、より早く防災行動をとることができ るというものである。また、自治体タイムラインと連携することで、自治体と地域の情 報共有体制が構築され、避難情報等をよりスムーズに住民に伝達することができる。  県内においては、紀宝町が平成23年9月に発生した台風12号による熊野川の支川 相野谷川での洪水による甚大な被害を受け、同町鮒田地区において地区住民による実践 的な取り組みとして、コミュニティタイムラインを導入している。  市内においては、コミュニティタイムラインを作成した地域について把握をしていな いが、共助の取り組みとして、自治会や地区防災組織において、地区毎に各災害種別や 地域の状況に応じた防災マニュアルが作成されている。 (5)今後のコミュニティタイムラインへの取り組みについて  コミュニティタイムラインは、自分たちの住んでいる地域の災害のリスクを理解し、 共助でできることを整理し、地域で作成し共有するもので、いざという時にみんなの支
    え合いによって、住民一人一人の命を守ることにつながるものとなる。  本市としては、自助の取り組みとしてのマイ・タイムラインの啓発と併せ、共助の取 り組みとしてのコミュニティタイムラインについて、地域の意見を聞きつつ、地域の取 り組みとして行っていく場合には支援していきたい。 4.津波避難ビルの現状について (1)津波避難ビルについて  本市は、南海トラフ地震等の発生時において、津波被害が懸念されており、より迅速 に、安全に避難する場所を確保する事は、市民の安全を守るうえで必要不可欠となって いる。  本市では、東日本大震災を受けて、津波浸水予測区域内の市民が、南海トラフ地震等 によって発生する津波から身体を守るため、地震発生から、浸水が解消し、地上を安全 に歩行できるまでの期間、一時的に高所に避難するための人工構造物を津波避難ビルと 定め、平成23年7月に「四日市市津波避難ビルガイドライン」を策定し、津波避難ビ ルの指定を推進してきた。令和4年7月現在、125棟を指定している。               〈津波避難ビルの種別一覧〉             ┏━━━━━━━━━━┯━━━━┓             ┃   種 別    │ 棟数 ┃             ┠──────────┼────┨             ┃小・中学校     │  19 ┃             ┠──────────┼────┨             ┃高校・大学・専門学校│   8 ┃             ┠──────────┼────┨             ┃保育園       │   3 ┃             ┠──────────┼────┨             ┃マンション     │  27 ┃             ┠──────────┼────┨             ┃事業所       │  17 ┃             ┠──────────┼────┨             ┃公共施設(学校以外)│  27 ┃             ┠──────────┼────┨             ┃ホテル・店舗・その他│  24 ┃             ┠──────────┼────┨             ┃合 計       │  125 ┃             ┗━━━━━━━━━━┷━━━━┛ (2)津波避難ビルの現状について  津波避難ビルについては、指定から約10年間が経過していることから、現在、小・ 中学校や主要な公共施設について、津波避難ビルのステッカーや看板の掲示状況はも とより、鍵ボックスの設置状況や入口や階段など避難経路の確認など、現況調査を進 めている。今後は、引き続き、現況調査を進めることで、津波避難ビルの現状の実態 把握に努めていく。 (図省略)           〈津波避難ビルの掲示(楠小学校)〉 5.委員からの主な質疑 <ハザードマップの活用について> Q.冊子版ハザードマップの作成とあるが、どのように取り組むのか。また、市民へ全戸  配布するとよいと考えるがどうか。 A.今年度は、洪水、津波、土砂災害、内水、高潮の5種類のハザードマップをとりまと  めて電子化する取り組みを進めている。その後冊子として配布する予定だが、どのよう  な形で市民に配布、周知するのかについては、今後検討していきたい。 Q.平成17年に全戸配布した四日市市防災マップは、現在も活用できるのか。 A.効果がないわけではないが、発行当時の災害の想定から情報が変わっているため、市  民から問い合わせがあった時は、その目的に応じたハザードマップを用いて案内してい  る。 (意見)情報が更新されていることについて市民に分かりやすく伝えるべきである。 Q.家族防災手帳にこの四日市市防災マップの情報が掲載されているが、これも新しい情  報に更新すべきではないか。 A.来年度の家族防災手帳の更新に合わせて新しい情報に更新していきたいと考えている。 Q.洪水ハザードマップの「想定しうる最大規模の場合」というのは何を指しているのか。 A.最大雨量の想定であり、例えば鈴鹿川流域では、6時間の総雨量が391mmの場合を想  定しうる最大規模としている。 Q.津波ハザードマップはその時の降雨量などの天候条件も考慮した想定なのか。 A.雨の状況は考慮していない。 Q.AR(拡張現実)技術を活用した防災学習アプリ「ARlook(あるっく)」につい  て、市民へはどのように周知を行っているのか。 A.広報よっかいちでの紹介とともに、各地区防災組織の集まりにおいてリーフレットを  配布するなどの周知を行っている。 (意見)複数の災害を重ねて表示できるようなバージョンアップを検討していってもよい  のではないかと考える。 <タイムラインの活用について> Q.コミュニティタイムラインについて、単身世帯が増加し、高齢化が進み、一人で避難  することが困難な方が増加する中、共助の取り組みを強化することが重要と考える。市  が積極的に投げかけていかないと地域からは声は上げにくいと考えるが、地域に対して、  具体的にどのように働きかけていくのか。 A.災害時にいつどのような行動をするのか地域で共有しておくことは非常に有意義なも  のである。地域にコミュニティタイムラインの取り組みについて紹介するなど働きかけ  ていきたい。 <津波避難ビルの活用について> Q.津波避難ビルの一覧に記載されている建物について、指定した時と状況が変わってい  るところもある。また、津波避難ビルのステッカーや立て看板等が劣化し使用に耐えな  いところもあるため、現地を調査する必要があると考えるがどうか。 A.現地の状況やステッカー等の状況について現在調査を進めている。全ての津波避難ビ  ルを調査したうえで報告したい。 6.まとめ  我が国は世界でも有数の災害大国であり、これまでも多くの大規模災害に見舞われてき た。本市においても、台風や大雨等による風水害が発生しており、加えて、南海トラフ地 震の発生も予見され、大規模な地震や津波など、あらゆる災害に対する防災・減災の取り 組みが必要である。本市ではこれまで、過去の災害の発生状況や対応等の情報を収集し、 自然災害への備えを行ってきた。  その中で、今回、所管事務調査を行ったハザードマップ、タイムラインを活用した取り 組み、津波避難ビルの指定については、危機管理統括部がソフト対策として行う防災・減 災の取り組みとして重要なものであり、国や県からの災害に関する情報や他自治体におけ
    る新たな取り組みは日々更新されている。当委員会としても本市の今後の取り組み状況を 注視し、必要に応じて更新、改善を求めていく必要がある。  ハザードマップについては、洪水、津波、土砂災害、内水、高潮の5種類のハザードマ ップを統合して電子化する取り組みを進めていくが、市民への周知においては、新しいハ ザードマップを配布するだけでなく、過去に配布した防災関連の冊子から災害の想定等の 情報が更新されていることを併せて周知することが重要である。また、今後、ハザードマ ップの配布やARを活用した情報発信を効果的に行っていく必要がある。  地域でのコミュニティタイムラインの活用については、地域の実情に応じて、コミュニ ティタイムラインの作成を必要とする地域に対して、市がしっかりと支援を行っていく方 向性であることを確認した。  津波避難ビルの指定については、市として現地調査を進めているところだが、今後しっ かりと実態を把握したうえで、実際の津波避難の際に市民等が避難できる状態を維持して いくことが今後の課題である。  これらの取り組みをさらに推進し、より強靭な危機管理体制を構築することを求め、報 告とする。 ----------------------------------------------------------------------------------  〔委員会の構成〕    委員長   伊 藤 嗣 也    副委員長  井 上   進    委  員  加 納 康 樹    委  員  早 川 新 平    委  員  樋 口 龍 馬    委  員  三 木   隆    委  員  森   康 哲    委  員  山 口 智 也 総務常任委員会 ○津波避難タワーについて 1.はじめに  我が国は世界有数の地震大国であり、これまで多くの地震や津波による災害を経験して きた。平成23年の東日本大震災では、東北地方から関東地方にかけての太平洋沿岸を巨 大な津波が襲い、甚大な被害を受けた。南海トラフ地震の発生も予見され、本市において も、大規模な地震や津波への備えは必須であり、ハード、ソフトの両面で防災・減災の取 り組みが求められる。  本市は、津波避難施設に関する取り組みとして、沿岸部の施設と協定を結び津波避難ビ ルとして指定する取り組みを進めている。令和4年8月には、桑名市津波避難誘導デッキ が竣工し、津波避難タワーへの関心も高まっていることから、津波避難施設に関する本市 の取り組みや津波避難タワーに関する考え方について理解を深めるため、所管事務調査を 行った。 2.津波避難対策としての避難施設について  国は津波から避難するための施設として、津波避難ビル等(※注1)や津波避難タワー (※注2)の活用について取り組みを進めている。  内閣府が平成15年に策定した『東南海・南海地震対策大綱』でも津波被害低減のため、 津波避難ビル等の必要性が記載され、平成17年には津波からの一時的な避難のための施 設の確保を進めるため、『津波避難ビル等に係るガイドライン』を作成した。  この結果、全国各地で『津波避難ビル等に係るガイドライン』を参考に津波避難ビル等 の指定や津波避難タワー整備が行われてきた。  なお、『津波避難ビル等に係るガイドライン』は、平成29年7月5日付けの『津波避難 ビル等を活用した津波防災対策の推進について(技術的助言)』により、津波防災対策に関 する各種規定等と津波避難ビル等との関係について整理したことで廃止されたが、先述の 技術的助言や『指定緊急避難場所の指定に関する手引き』、『津波避難ビル等に係る事例集』 などに引き継がれている。 (※注1)津波避難ビル等     津波浸水予想地域内において、地域住民等が一時避難・退避等の避難行動を行    うための施設(人口構造物に限る)のことを示す。    (内閣府『津波避難ビル等に係るガイドライン』より抜粋)     避難ビルとしては、マンション、ホテル、旅館、工場、倉庫等が考えられる。    津波浸水想定区域内に高いビルが存在しない場合は、緊急的な措置として、鉄道    や道路等の高架部分、歩道橋等の利用、海岸付近の公園等に高台(盛土)の設置    等の工夫や津波避難タワー等の整備も検討する必要がある。    (消防庁『津波避難対策推進マニュアル検討会報告書』より抜粋) (※注2)津波避難タワー     津波浸水想定区域内において、地震発生から津波到達までの時間的猶予や地理    的条件等の理由により、近くの安全な高台等への避難が困難と想定される場合    に、緊急的に避難をする場所として活用する施設。    (消防庁『津波避難対策推進マニュアル検討会報告書』より抜粋) 3.四日市市の現状   本市では、東日本大震災を受けて、津波浸水想定区域内の市民が、南海トラフ地震等  によって発生する津波から命を守るため、地震発生から、浸水が解消し、地上を安全に  歩行できるまでの期間、一時的に高所に避難するための人口構造物を津波避難ビルと定  め、平成23年7月に『四日市市津波避難ビルガイドライン』を策定し、津波避難ビル  の指定を進めてきた(令和4年7月現在、125棟を指定)。   また、平成24年度から平成26年度には、沿岸部の小中学校の校舎屋上を避難場所  として活用するため、地上から校舎屋上への屋外階段、屋上の手すり、自家発電設備、  地震時に自動で開錠する鍵ボックスを設置した。   しかし、津波避難ビルは、指定から約10年が経過していることから、入口や階段な  ど避難経路の確認などについて、公共施設の現況調査を終え、民間施設の現況調査を進  めている。   一方、令和4年度に四日市市自治会連合会が「津波避難施設のあり方検討委員会」を  設置し、津波避難タワーの建設要望について議論を始め、本年9月には木曽岬町や桑名  市の津波避難タワーの視察を行っており、検討委員会の今後の議論の状況も注視してい  く必要がある。 4.県内市町における津波避難ビル及び津波避難タワーの状況   内閣府が公表している令和3年4月時点の三重県内における津波避難ビル及び津波  避難タワーの建設件数は、【表1】のとおり県内では津波避難ビルが540棟、津波避難  タワーが28棟となっている。なお、令和3年4月以降に桑名市と川越町でそれぞれ1  棟、松阪市で2棟の津波避難タワーが完成している。   令和3年4月以降に完成した4棟を加えた、県内市町の津波避難タワー32棟のうち、  伊勢湾南部に位置する松阪市が2棟、明和町が6棟、伊勢市が8棟の計16棟となって  おり、県内の津波避難タワーのおおむね半数を占めている。また、県全体では津市以北  の市町が6棟、松阪市以南が27棟となっている。 5.県内市町における津波避難タワーの立地の傾向   伊勢湾南部に位置する松阪市、明和町、伊勢市の津波避難タワーの立地を見ると、平  地が広がり周囲に高所や高い建物がないという地理的状況が見られる。
      伊勢湾北部に位置する桑名市、川越町、木曽岬町の津波避難タワーの立地も同様に、平  地が広がり周囲に高所や高い建物がないという地理的状況が見られる。   また、南海トラフ地震に伴う津波浸水想定では、浸水深30cmの津波が四日市市に  到達する時間は、理論上最大クラスの南海トラフ地震の場合、おおむね70分超となっ  ており、南海トラフ地震の震源地に近くなっていく県南部に向かうほど津波到達までの  時間的猶予が短くなっていく。このため、津波到達まで時間的猶予が短い熊野市、大紀  町、御浜町などの市町も津波避難タワーを建設している。   これらのことから、県内市町における津波避難タワーの立地の傾向としては、   (1)平地が広がり周囲に高所や高い建物がない   (2)津波到達までの時間的猶予が短い   以上のような傾向が見られる。 6.委員からの主な質疑 Q 四日市市自治会連合会において、津波避難タワーについての検討会を設置し、視察も  行っているとのことだが、沿岸部の地域の自治会と内陸部、山間部の自治会の意見は異  なり、津波避難施設についての考え方も様々である。沿岸部でも津波避難タワーが必要  という自治会と、津波避難ビルで十分という自治会のどちらもあると思う。本市として  はずっと津波避難ビルの指定に取り組んできた経緯がある中で、自治会に対して説明が  足りていないと感じるが、今まで自治会に対してどのように説明をしてきたのか。 A 危機管理課として津波避難施設のあり方検討委員会に参加し、津波避難ビルの指定、  協定の締結の状況について説明している。今後も必要に応じて津波避難施設のあり方検  討委員会の中でじっくり説明していきたい。 Q.自主防災組織の中でも津波避難訓練をしている自治会もあると聞いているが、危機管  理統括部として把握しているのか。 A.一定数の自主防災組織が津波避難ビルを活用した訓練を行っていることは把握してい  る。一方で、津波避難施設のあり方検討会において、一部の自治会からは、そのような  訓練がなかったとの意見もあったため、津波避難ビルの所有者と地元住民とのコミュニ  ケーションを図ることも含めて取り組んでいきたい。 Q.津波避難ビルであったり、浸水区域にある公共施設、小・中学校には外階段や発電機  などが設置されているので、そのあたりを含めた周知を自治会、自主防災組織と連携し  て取り組んでいくと、どこへの説明が足りないのか、津波避難施設が不足しているのは  どの地域なのかという所を確認していかなければ前に進まないと考えるがどうか。 A.四自連が数年前から災害時の施設、津波避難タワーの視察を行っていることは承知し  ており、自治会長の思いは聞き及んでいる。   今年度、津波避難施設のあり方検討会を立ち上げる際に本市の津波避難ビルの指定に  つて説明したところ、知らなかったという声もあったため、周知不足もあると考える。   また、市民センターの職員や緊急分隊員が津波避難ビルや公共施設の避難経路を把握  していないのではいけないということで市民生活部とも連携し、職員に周知が重要であ  ると再認識している。 (意見)津波避難ビルは協定を結ぶことができた施設を指定しているが、協定は結べなか  ったものの、災害時には避難場所として使用することができる建物もある。協定を締結  していないが災害時に使用しても良い施設については地域と意見交換を行い、情報を共  有すべきである。 Q.それぞれの地域にどれくらいの要援護者がおり、津波到達までの70分間で、海抜5メ  ートルの高さまで避難できるのかどうかという視点で津波避難ビルの指定を行ってい  るのか確認したい。 A.東日本大震災以降、目指すべき高台を避難場所として確保する意味でとにかく津波避  難ビルを指定してきた。避難行動要支援者の実態に基づいて指定をしているわけではな  い。 Q.実態をしっかり確認していく中で、近くに高い建物がなく、海抜5メートルのライン  から離れている地域で、実際に避難行動要支援者が多数いるような地域は実際にあると  推測する。そうした地域がどのあたりなのか市として把握しているのか。 A.現在実態を調査しているところであり、津波避難の平均的な避難距離は約500メート  ルと設定して、津波避難ビルを中心に500メートルの円を描き、近くに高い建物がない  など避難が困難な地域がないように津波避難ビルの指定の取り組みを進めていく。 (意見)津波避難ビルの指定についてはそうした地域を埋めていく作業が必要である。一  方で、近くに高い建物がない場合には津波避難タワーの建設も一つの手法である。どう  いう場合には津波避難ビルの指定を行い、このような場合には津波避難タワーで対応す  るという明確な基準も必要と考える。明確な基準についても検討しながら、近くに高い  建物がない、避難行動要支援者の割合が高いなど、ソフト対策を講じても避難が困難な  ところには津波避難タワーも一つの手法として検討することも必要ではないかと考え  る。 7.まとめ  国は津波から避難するための施設として、津波避難ビル等や津波避難タワーの活用を進 めているが、本市では、津波浸水想定区域内の市民を南海トラフ地震等によって発生する 津波から命を守るため、平成23年7月に『四日市市津波避難ビルガイドライン』を策定 し、津波避難ビルの指定を進めてきた。  津波避難ビルの指定を開始してから10年が経過し、指定した津波避難ビルの現状を把 握しきれていないことは課題であり、早期に調査を進め、現在津波避難ビルに指定してい る125棟の施設の実態を継続的に把握していくことが必要である。  また、現在の津波避難ビルの指定は東日本大震災以降、多くの施設を津波避難ビルに指 定する必要があったことから、急速に指定を進めていった経緯があり、今後は、各地域で の避難行動要支援者の数を考慮した視点、地震が発生し津波が到達するまでの間に避難で きる施設がない空白地帯のような地域はないかといった視点が重要である。  今後、津波避難施設に関する取り組みを進めるにあたっては、津波避難ビルに指定した 施設の現状把握に努め、各地域において、避難行動要支援者を含む避難者が、地震発生時 から津波到達までの間に避難できる場所に津波避難施設があるのかどうか、それぞれの現 状をしっかりと調査する必要がある。現状把握を行う中で、真に必要な場合には津波避難 タワーの整備についても検討が必要ではないかと考える。  南海トラフ地震が発生しても、津波到達までの間に市民が津波避難施設に避難し、市民 の生命と財産を守ることができるよう、積極的に津波避難施設に関する施策に取り組んで いくことを求め、報告とする。 ----------------------------------------------------------------------------------  〔委員会の構成〕    委員長   伊 藤 嗣 也    副委員長  井 上   進    委  員  加 納 康 樹    委  員  早 川 新 平    委  員  樋 口 龍 馬    委  員  三 木   隆    委  員  森   康 哲    委  員  山 口 智 也 教育民生常任委員会 ○学校給食費について 1.はじめに  文部科学省は令和元年7月の「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」の中で、
    学校給食費の徴収・管理に係る教員の業務負担を軽減するため、学校給食費は公会計化 及び地方公共団体による徴収を基本とすべきと示し、本市においては、令和4年度から 公会計化及び本市による徴収を導入していますが、中学校給食が開始される令和5年度 の前に、その詳細を改めて確認する必要があります。また、本市は学校給食の食材調達 業務を公益財団法人四日市市学校給食協会に委託しておりますが、当該団体の活動内容 や業務委託の効果等について確認する必要があることから、これらの学校給食費を取り 巻く現状と課題について調査研究を実施することとしました。 2.学校給食費の公会計化の概要 (1)公会計化実施の経緯 ・学校給食法により、給食調理に必要な施設・設備の整備費や光熱水費、人件費につい  ては市が負担し、食材料費(学校給食費)は、保護者負担としている。 ・これまで学校給食費は保護者から学校長が徴収し、市の会計を通さずに食材を購入す  る費用に充てる「私会計」にて運営してきた。 ・学校給食費の徴収・管理に係る教員の業務負担を軽減するため、令和元年7月に、文  部科学省「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」により、学校給食費は公会  計化及び地方公共団体による徴収を基本とすべきと示された。 ・本市において、小学校給食は令和4年度から、中学校給食は令和5年度から学校給食  費を市の歳入歳出予算に計上し、市が管理する公会計制度を導入することとした。 (2)公会計化による学校給食費徴収業務の分担変更   【公会計化前】        学校給食費納付   私会計 ┌───┐   ───→   ┌────┐         食材料費に充当 │保護者│          │ 学校 │   ───→  (公財)四日市市学校給食協会 └───┘   ←───   └────┘          督促    ◇学校が学校給食費を徴収・管理している   【公会計化後】        学校給食費納付   公会計 ┌───┐   ───→   ┌────┐         食材料費に充当 │保護者│          │  市  │   ───→  (公財)四日市市学校給食協会 └───┘   ←───   └────┘          督促    ◇市が学校給食費を徴収・管理する (3)他市町の状況   令和元年7月に示された「学校給食費徴収・管理に関するガイドライン」(文部科学  省)に基づき、各自治体は学校給食費の公会計化を進めている状況にある。  ≪ 県内で学校給食費の公会計化を実施している自治体 ≫   令和2年度以前から実施 : 志摩市・木曽岬町・東員町・川越町・多気町・大紀町・                御浜町・紀宝町   令和3年4月から実施  : 亀山市   令和4年9月から実施  : 鈴鹿市 3.学校給食費について (1)学校給食費の決定について   1)学校給食栄養摂取基準(※)を満たす、モデルとなる献立を教育委員会で作成    ┌                               ┐    │※学校給食栄養摂取基準                    │    │  学校給食法第8条第1項に基づく、児童生徒の健康の増進と食育の│    │  推進を図るために望ましい栄養量を定めた基準         │    └                               ┘   2)この献立に必要な学校給食にふさわしい食材の経費を算出し、学校給食費の基とする   3)複数献立を作成して検証   4)検証した学校給食費の妥当性について、学識経験者や学校関係者、保護者などによる    検討委員会を開催し、献立や使用食材を確認の上、意見をいただくことを経て決定 (2)学校給食費の徴収額について   1)小学校給食費(令和4年度) ┌───┬────┬────┬────┬────┬────┬────┬────┬────┬────┬──────┐ │ 期 │1・2期 │ 3期  │ 4期  │ 5期  │ 6期  │ 7期  │ 8期  │ 9期  │ 10期 │  11期  │ ├───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼──────┤ │納期限│ 6/30 │ 7/31 │ 8/31 │ 9/30 │ 10/31 │ 11/30 │ 12/25 │ 1/31 │ 2/28 │  3/31  │ ├───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼──────┤ │低学年│8,800円 │4,400円 │4,400円 │4,400円 │4,400円 │4,400円 │4,400円 │4,400円 │4,400円 │4,400円前後 │ ├───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼──────┤ │高学年│9,200円 │4,600円 │4,600円 │4,600円 │4,600円 │4,600円 │4,600円 │4,600円 │4,600円 │4,600円前後 │ └───┴────┴────┴────┴────┴────┴────┴────┴────┴────┴──────┘   2)中学校給食費(令和5年度 予定) ┌───┬────┬────┬────┬────┬────┬────┬────┬────┬────┬──────┐ │ 期 │1・2期 │ 3期  │ 4期  │ 5期  │ 6期  │ 7期  │ 8期  │ 9期  │ 10期 │  11期  │ ├───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼──────┤ │納期限│ 6/30 │ 7/31 │ 8/31 │ 9/30 │ 10/31 │ 11/30 │ 12/25 │ 1/31 │ 2/28 │  3/31  │ ├───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼────┼──────┤ │全学年│9,800円 │4,900円 │4,900円 │4,900円 │4,900円 │4,900円 │4,900円 │4,900円 │4,900円 │4,900円前後 │ └───┴────┴────┴────┴────┴────┴────┴────┴────┴────┴──────┘ *一食当たりの学校給食費(小学校低学年:256円、高学年:268円、中学生:300円)×年  間給食回数として、11期(3月分)の徴収額で精算する。(学校行事等の回数により、  学校・学年毎に11期の額が異なる。) *生活保護や就学援助を受けている家庭について、認定されている期間に実施された学  校給食費は現物給付とする。(保護者が一旦納付する必要がない。) *徴収方法は、原則口座振替とする。口座登録のない場合は、納付書を発行する。(金融  機関、コンビニエンスストア、地区市民センターで納付)  3)県内の主な市との比較    ◆小学校給食費 ┌────────┬────────────────┬──────────────┐ │        │月額(円)            │1食単価(円)       │ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │桑名市     │低学年:4,350円 高学年:4,500円│250円            │ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │鈴鹿市     │4,200円             │247.06円          │ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │津市      │4,300円             │255円            │ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │松阪市     │低学年:4,400円 高学年:4,500円│低学年:264円 高学年:270円│ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │伊勢市     │低学年:4,300円 高学年:4,400円│低学年:256円 高学年:262円│ └────────┴────────────────┴──────────────┘    ◆中学校給食費 ┌────────┬────────────────┬──────────────┐ │        │月額(円)            │1食単価(円)       │
    ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │桑名市     │-               │280円            │ │(多度・長島除く)│                │              │ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │鈴鹿市     │4,750円             │302円            │ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │津市      │4,800円             │285円            │ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │松阪市     │4,800円             │289円            │ ├────────┼────────────────┼──────────────┤ │伊勢市     │4,800円             │293円            │ └────────┴────────────────┴──────────────┘ (3)学校給食費の徴収対応の流れ   学校給食費の徴収・管理は、「四日市市学校給食の実施及び学校給食費の管理に関す  る条例」「四日市市学校給食の実施及び学校給食費の管理に関する条例施行規則」等に  基づいて実施する。 ┌─┬─────────────┬──────────┬──────────────┬─────────┐ │ │区分           │動き        │内容            │時期       │ ├─┼─────────────┼──────────┼──────────────┼─────────┤ │1)│申し込み         │保護者等⇒市    │「学校給食申込書」「口座振替│前年度秋     │ │ │(新小1・中学生・転入生)│          │依頼書」を提出       │(転入生随時)  │ ├─┼─────────────┼──────────┼──────────────┼─────────┤ │2)│年間納付額の決定     │市         │各学校・学年の給食回数等に │6月初め頃まで  │ │ │             │          │応じて決定         │         │ ├─┼─────────────┼──────────┼──────────────┼─────────┤ │3)│通知書の送付       │市⇒保護者等    │学校給食費決定通知書(年間 │6月初め頃    │ │ │             │          │納付額・期毎納付額)を送付 │         │ ├─┼─────────────┼──────────┼──────────────┼─────────┤ │4)│請求           │市⇒保護者等    │保護者等に学校給食費を   │第1・2期:6月末│ │ │             │          │請求            │ 第3期:7月末 │ ├─┼─────────────┼──────────┼──────────────┤~11期:3月末  │ │5)│納付           │保護者等⇒金融機関等│学校給食費を納付      │         │ └─┴─────────────┴──────────┴──────────────┴─────────┘ 4.学校給食費の取扱いと食材の調達について (1)学校給食費と食材料費の関係について   ・保護者から徴収する学校給食費は、全て食材料費として使用する。     *食材料費(歳出)は、公費にて賄うべきもの(非常食・保存食等)以外は、保護者か      ら徴収する学校給食費(歳入)で賄っている。   ・食材料費以外の費用については、公費にて負担する。   ≪給食提供に係る費用について(令和4年度予算額)≫   ◆小学校    A 食材料費            8.7億円    B 食材料費以外の費用(※)    8.4億円   ───────────────────────────     A+B            計17.1億円   ┌                                      ┐   │※食材料費以外の費用…日々の給食調理に必要な経費              │   │ 人件費(調理、配膳、洗浄等)、光熱水費、配送費、調理に係る消耗品(洗剤・消│   │毒・食器・被服等)、給食備品・修繕、清掃・ごみ処理に係る費用、検便等    │   └                                      ┘ (2)食材の調達方法   ・学校給食用食材の調達に当たっては、安全安心を最優先とし、価格以外に味、鮮度、調    理に適した形、地産地消、アレルギー対応、栄養価などを満たした大量の良質な食材を    安定的に確保することが必要となる。   ・これまで、安全安心な学校給食を実施するため、公益財団法人四日市市学校給食協会    が市内事業者を活用した食材の確保や配送などを行う体制を構築し、食材の発注・支    払いなどの業務を行ってきた。   ・公会計化後も、安全安心な食材の安定供給のため、私会計時から実績のある食材調達    方法を継続している。             ┌─────────┐             │児童生徒(保護者)├───────────┐       ┌────→│         │←────────┐ │       │     └─────────┘         │ │       │                         │ │学校給食費の支払い  給食の提供│                 学校給食費の請求│ │       │                         │ ↓    ┌──┴─┐       食数管理        ┌───┴────┐    │ 学校 │ ────────────────→ │市(教育委員会)│    └────┘                   └───┬─┬──┘     ↑↑↑                         │ │     │││納品               食材調達業務委託│ │     │││                    (委託料)│ │(食材料費)    ┌┼┼┴───┐                     ↓ ↓   ┌┴┼┴───┐│    発注・支払    ┌─────────────┐  ┌┴─┴───┐├┘←────────────┤             │  │食材納入業者├┘←─────────────┤(公財)四日市市学校給食協会│  └──────┘←──────────────┤             │                         └─────────────┘ (3)(公財)四日市市学校給食協会    公益財団法人四日市市学校給食協会は、学校給食の円滑な実施を目的として昭和35   年に設立され、物資の購入、納入業者への指導などの学校給食事業を行っている。    ◆学校給食用食材調達等業務委託 (令和4年度予算額)   ┌   │食材料費  868,329千円   │       ・給食用食材に係る経費   │         ・納品実績に基づく給食用食材の実費を月毎に支払う   │委託料    20,370千円   └           ┌                    ┐               │ うち、職員給与・手当 12,220千円 │               │    法定福利費    1,920千円 │               └                    ┘          ・給食用食材調達に係る経費           ┌                              ┐           │良質で安全な給食用物資を安価に安定して供給するため、給食用物│           │資の選定、発注、支払、納入業者への指導、食育指導などを行う │           └                              ┘
             ・年間3回に分けて支払う  ≪体制≫   事務局長を含めた3人体制。令和5年4月からの中学校給食の開始に伴い、令和  5年1月から物資担当を1名増員予定     *事務局長、会計担当1名、物資担当(食材選定・発注)1名→2名  ≪沿革≫   ┌────┬───────────────────────────────┐   │年   │沿革                             │   ├────┼───────────────────────────────┤   │昭和7年│「学校給食臨時施設方法」が定められ、貧困児童救済のための学校給│   │    │食が実施 (四日市市の給食児童22名)             │   ├────┼───────────────────────────────┤   │昭和20年│「児童生徒の体位向上と食生活改善」を目標に学校給食開始    │   ├────┼───────────────────────────────┤   │昭和29年│学校給食法公布                        │   ├────┼───────────────────────────────┤   │昭和30年│四日市市学校給食組合設立                   │   │    │ ⇒物資の共同購入により、購入支払や交渉等の事務手続きが軽減 │   ├────┼───────────────────────────────┤   │昭和35年│財団法人四日市市学校給食協会設立               │   │    │ ⇒26名の小学校長出席のもと協会の設立を決議。協会代表は校長 │   ├────┼───────────────────────────────┤   │昭和41年│文科省通知「学校給食用物資の共同購入促進について」      │   ├────┼───────────────────────────────┤   │昭和48年│三重郡・員弁郡への給食物資の供給を開始 (平成14年度にて終了)│   ├────┼───────────────────────────────┤   │平成14年│各校の学校給食費の一括管理、物資の一括購入開始        │   │    │ ⇒学校差の解消や給食関係事務の合理化・簡素化が図られる   │   ├────┼───────────────────────────────┤   │平成25年│公益財団法人へ移行                      │   ├────┼───────────────────────────────┤   │令和4年│学校給食費の一括管理が終了                  │   │    │ ⇒学校給食費の公会計化開始                 │   ├────┼───────────────────────────────┤   │令和5年│中学校給食の開始予定                     │   └────┴───────────────────────────────┘ ≪業務内容≫  1)発注関係業務     物資選定委員会等で選定した食材について、各学校の必要量を食数等を基に計    算し、各学校別・業者別に発注する。また、台風や学級閉鎖等への対応や不測の    事態への対応を行う。     ・物資納入業者の選定・登録     ・食材の規格設定(品質、サイズ等)     ・食材の必要量計算     ・食材の発注     ・物資納入業者を登録者の中から決定     ・児童の転出入等による発注食数の変更連絡     ・食材入手困難等、不測の事態の際の連絡調整     ・台風等緊急時の発注変更・中止等の連絡調整  2)支払関係業務    購入物資の支払い、各種会計報告を行う。     ・請求書チェック     ・物資納入業者への支払い     ・会計簿管理  3)衛生管理関係業務     学校給食の衛生管理を徹底するため、物資納入業者への指導及び食材の安全確    認や異常発生時の対応を行う。     ・物資納入業者への衛生管理指導(定期訪問指導、検便検査結果提出等)     ・食材の定期検査(微生物検査・理化学検査)     ・食材の異常(品質鮮度の悪いものなど)発生時の対応  4)その他     ・使用食材の詳細資料(アレルゲン、産地等)の入手・管理 5.学校給食費に係る今後の課題について (1)物価高への対応について  1)本市の小学校給食費について  ・学校給食用食材は、保護者からの学校給食費で賄っており、安全安心でおいしく充   実した給食を提供するために、献立を工夫しながら食材の選定を行っている。  ・現在の学校給食費は、平成29年度に、食材の値上がり分を考慮して改定している。 ┌───────┬───────┬─────────┬─────────┐ │       │平成8年度から│平成21年度から  │平成29年度から  │ ├───────┼───────┼─────────┼─────────┤ │低学年(月額)│3,650円    │4,100円(+450円)│4,400円(+300円)│ ├───────┼───────┼─────────┼─────────┤ │高学年(月額)│3,800円    │4,300円(+500円)│4,600円(+300円)│ └───────┴───────┴─────────┴─────────┘   2)物価高の現状   ≪コロナ禍における物価高の状況 (総務省統計局 消費者物価指数)≫    ┌───────────┬───────────────┐    │           │    変化率(食料)    │    │年度         ├───────┬───────┤    │           │ 前回改定時 │  コロナ禍  │    ├───────────┼───────┼───────┤    │平成28年度      │0% (基準年度)│       -│    ├───────────┼───────┼───────┤    │平成31年度      │     2.72%│0% (基準年度)│    ├───────────┼───────┼───────┤    │令和2年度      │     3.67%│     0.93%│    ├───────────┼───────┼───────┤    │令和3年度      │     4.45%│     1.68%│    └───────────┴───────┴───────┘    ┌───────────┬───────┬───────┐    │令和4年度(4月~8月)│     7.54%│     4.69%│    └───────────┴───────┴───────┘   ・前回改定時(平成28年度物価を基準として、平成29年度に改定)と、今般の物価高    を比較すると、7.54%の上昇となっている。   ・コロナ禍前の平成31年度と今般の物価高を比較すると4.69%の上昇となっている。
      ・前回の改定(平成29年度)は、7%の上昇、前々回の改定(平成21年度)は13%の上    昇にて改定を行っている。   3)物価高への対応状況   ・現在把握している物価の上昇は、それぞれの食材によっても傾向が異なっており、    本市の学校給食においては、現在のところ、様々な献立の工夫によって、これま    で通りの栄養バランスや量を保った給食を継続している状況にある。   ≪献立のたて方≫    学校給食の献立・・・「学校給食栄養摂取基準」を踏まえ、多様な食品を適切に組み              合わせて、児童生徒が各栄養素をバランス良く摂取しつつ、              様々な食に触れることができるようにする。   i)各校に配属されている栄養教諭等のグループにて、1食当たりの学校給食費を     基に、学校給食栄養摂取基準を満たす献立原案を1か月毎に作成…2か月前   ii)献立原案を全栄養教諭等で確認・検討   iii)献立委員会(校長、栄養教諭等、給食主任、調理員、給食協会、教委等)にて、     前月献立の課題等を確認しつつ、献立原案を確認・検討   iv)教育委員会と栄養教諭等全員にて、栄養価・分量・価格等を最終確認し、献立     決定・・・1か月前  ≪献立の工夫の例≫  ・栄養価が高く、安価となる旬の野菜や魚をタイミングよく取り入れる。  ・野菜や果物などの青果物は、月毎の予定価格を勘案しながら、栄養価が近い野菜   (ほうれん草、小松菜、ちんげん菜、にら、ねぎ等)の中で、安価なものを選定する。  ・肉の部位を変更する。(もも肉→むね肉→ひき肉を取り入れた献立)  ・魚、加工品、デザートなどは、安全性が高く、安価でおいしさや栄養価が変わらな   い食材を積極的に情報収集し、取り入れる。  4)教育委員会の今後の考え方  ・コロナ禍による保護者負担増を避けるため、現在の学校給食費を維持しつつ、引き   続き食材料費の推移を注視する。  ・来年度に向けて、更なる物価上昇により、献立の工夫では対応が困難になった場合   は、食材料にかける費用を増やす必要があるため、学校給食費の値上げか、費用の   一部を公費で負担するかの判断が必要であると考える。 (2)学校給食費の無償化について  ≪教育委員会の方針≫   ・最も負担軽減が必要な生活保護や生活困窮家庭へは、既に現状の制度にて学校給    食費の支援が行われている。   ・学校給食費の無償化には、継続して多額の経費が必要となることから、教育施策    として他の施策に係る経費とも考えあわせることが必要である。   ・よって、学校給食費の無償化については、その意義や効果、実施期間などについ    ての慎重な判断が必要と考える。  ≪参考≫  ○学校給食費の無償化を実施する自治体 ┌───────┬──────┬──────────────────────┬──────┐ │実施時期   │自治体名  │目的                    │備考    │ ├───────┼──────┼──────────────────────┼──────┤ │戦後すぐから │山口県和木町│子育て支援の一環、保護者負担軽減      │      │ ├───────┼──────┼──────────────────────┼──────┤ │平成23年~  │兵庫県相生市│人口減に歯止めをかけるための子育て支援策  │      │ ├───────┼──────┼──────────────────────┼──────┤ │平成28年~  │滋賀県長浜市│安心して子育てできるまち(時代を担う子どもた│小学校のみ │ │       │      │ちの成長を市民全体で支える)        │      │ ├───────┼──────┼──────────────────────┼──────┤ │令和2年~  │兵庫県明石市│教育上の負担が大きい中学生世帯の負担軽減  │中学校のみ │ ├───────┼──────┼──────────────────────┼──────┤ │令和4年10月~│青森県青森市│子育て世帯の負担削減(出生数減となり、地域 │      │ │       │      │の持続的発展が危機的状況にある)      │      │ ├───────┼──────┼──────────────────────┼──────┤ │令和5年4月~│千葉県市川市│子どもの成長を社会全体で支えるため     │中学校は令 │ │       │      │(食は将来にわたり健康であり続けるための礎)│和5年1月~│ ├───────┼──────┼──────────────────────┼──────┤ │令和5年4月~│東京都葛飾区│子どもを産み育てる環境を充実させるため   │      │ ├───────┼──────┼──────────────────────┼──────┤ │令和5年4月~│三重県伊賀市│子育て世帯の負担軽減            │小学校のみ │ └───────┴──────┴──────────────────────┴──────┘   ○コロナ禍において期間限定にて学校給食費の無償化を実施する自治体     ┌─────────────┬───────┐     │実施時期         │自治体名   │     ├─────────────┼───────┤     │令和2年度~令和4年度  │大阪府大阪市 │     ├─────────────┼───────┤     │令和4年3月~令和4年5月│三重県川越町 │     ├─────────────┼───────┤     │令和4年4月~令和4年10月│愛知県愛西市 │     ├─────────────┼───────┤     │令和4年7月~令和5年1月│三重県東員町 │     ├─────────────┼───────┤     │令和4年9月~令和4年12月│愛知県犬山市 │     ├─────────────┼───────┤     │令和4年9月~令和5年2月│三重県木曽岬町│     ├─────────────┼───────┤     │令和4年9月~令和5年3月│愛知県津島市 │     ├─────────────┼───────┤     │令和4年10月~令和5年3月│愛知県豊橋市 │     └─────────────┴───────┘ 6.委員からの主な意見 ・学校給食費の公会計化実施を機にクレジット納付に対応するなどの利便性向上を検  討してほしい。 ・学校給食は義務教育の一端を担っているという観点から、学校給食費の無償化を検討  すべきと考える。 ・学校給食費の無償化についてはこれから議論を行う必要があるが、少なくとも食材の  値上がり分は公費で負担するよう強く要望する。 ・令和5年度から開始する中学校給食については、委託業者や使用食材を心配する保護  者の声もあるため、丁寧な説明に努めてほしい。 ・学校給食はいじめや不登校の問題とも関連性があると考えるため、中学校給食の開始  後に調査を検討してほしい。
    ・児童生徒の健康の増進と食育の推進を図るために望ましい栄養量を定めた学校給食  栄養摂取基準を満たす献立とすることは重要だが、効果検証も何らかの形で行うべき  と考える。 ・学校給食費の無償化の実施は子育て・教育安心都市をアピールする良い機会になると  考える。 ・現在は献立を工夫しながら使用食材を見直すことで物価高に対応しているが、その限  界を超えて子供や食材納入業者にしわ寄せがいかないよう、早期に給食費の値上げや  一部公費負担などについて議論してほしい。 7.まとめ  学校給食費の公会計化の実施に伴い、学校から本市へ徴収業務の分担変更がなされ、 教員の業務負担が軽減された一方で、過年度の債権管理は私会計のままとなり、当該児 童が在校するまでは学校に徴収業務が残り続けるという課題を確認しました。そのため、 過年度の債権管理に係る各学校の業務負担を勘案し、適切な対策を検討する必要がある と考えます。また、今後は本市が徴収システムを管理することとなるため、クレジット 納付への対応などの利便性向上についても検討する必要があると考えます。  昨今の著しい物価高には、献立を工夫しながら使用食材を見直すことで対応しており、 児童生徒にとって望ましい栄養量を定めた学校給食栄養摂取基準を満たしていること を確認しました。しかしながら、使用食材に制約があることは食育の推進を図る上で望 ましいとは言えず、物価高騰のさらなる深刻化により対応できる限界を超えることがあ れば、学校給食栄養摂取基準を満たせなくなり、市内の食材納入業者に損害を与えてし まう恐れがあります。そのような事態を防ぐために、十分な食材料費の確保を目的とし た学校給食費の値上げや一部公費負担を早期に実施する必要があると考えます。  学校給食費の無償化については、小中学校合わせて約13億円という経費が継続的に 必要となり、他の教育施策に係る経費を勘案すると、現状における実施は困難であると の見解が教育委員会より示されました。確かに、学校給食費の無償化をGIGAスクー ル構想等による財政負担が大きい現状の教育予算だけで実施することは困難であると 言わざるを得ませんが、子育てや福祉に大きく寄与する総合的な施策として全庁的な視 点で議論する余地は大いにあります。そのため、学校給食費の無償化を「子育てするな ら四日市」「教育するなら四日市」をスローガンとする子育て・教育安心都市を内外に 示す機会と捉え、今後も継続的に議論していく必要があると考えます。  学校給食は、安心安全で十分な栄養や量を備えた食事を提供し、心身の健全な発達を 促すことを目的とする教育活動であり、令和5年度から中学校でも開始されることで、 その役割はさらに大きなものとなります。その一方で、昨今の物価高の影響から既定予 算内での給食用食材の調達が困難となっており、現在は使用食材を見直すことで対応で きているものの、将来的には値上がり分を見込んだ食材料費の確保が必要な状況となっ ています。学校給食の教育的役割が継続的に果たされるよう、食材料費の確保のための 学校給食費の値上げや一部公費負担を早期に実施するとともに、学校給食費の無償化に 関する調査研究を進めていくことを要望し、当委員会からの調査報告といたします。 ----------------------------------------------------------------------------------  〔委員会の構成〕    委員長   森 川   慎    副委員長  小 田 あけみ    委  員  小 川 政 人    委  員  笹 岡 秀太郎    委  員  土 井 数 馬    委  員  豊 田 政 典    委  員  中 川 雅 晶    委  員  日 置 記 平    委  員  村 山 繁 生 発言が指定されていません。 Copyright © Yokkaichi City Assembly, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...